浦和の新助っ人FW、日本デビューで吹き込む“新たな風” 「クリエイトするのが自分のスタイルかも」

浦和FWホセ・カンテ【写真:Getty Images】
浦和FWホセ・カンテ【写真:Getty Images】

ギニア代表FWカンテがルヴァン杯で初出場

 J1浦和レッズは4月5日のルヴァンカップ(杯)グループステージ第3節、川崎フロンターレ戦に0-0で引き分けたが、先月に獲得が発表された新加入のギニア代表FWホセ・カンテが途中出場で日本デビューを果たした。

 浦和は昨季限りでFW江坂任が韓国移籍、FWキャスパー・ユンカーが名古屋グランパスに期限付き移籍となり、ストライカーの獲得を模索したものの開幕までに獲得には至らず。そうした中で、昨季に中国の滄州雄獅でプレーして16試合で14得点のカンテ獲得が3月に発表されていた。公式戦で最後にプレーしたのが昨年12月で、個人トレーニングしかできない期間もあったカンテだけにコンディション調整にも時間を要し、合流から約2週間が経ったこのルヴァン杯でようやくベンチ入りとなっていた。

 そのカンテは後半24分にFWブライアン・リンセンとの交代でピッチに入り1トップでプレー。周囲との連携が噛み合わない部分や、互いのプレーのクセを相互理解する部分はまだまだ時間が必要な感があったが、184センチの長身を生かしたボールキープなど前線で起点になるプレーの片鱗は見せた。後半の終了間際にはMF伊藤敦樹のシュートが相手に当たったこぼれ球に反応したが「ファーストタッチでコントロールしてからでは相手に寄せられるかなと思ったので、ダイレクトで蹴る判断をしたんですけど、自分の体勢が良くなかった。そこは後悔している部分」とシュートは枠外に飛んでしまった。

 浦和の前線はリーグ開幕2試合でリンセンがスタメン起用されたものの2連敗し、その後はFW興梠慎三が出場を続けてリーグ戦を4連勝している。両者の大きな違いは、中盤と出入りしながらボールを受けてチームの押し上げを助ける興梠と、背後への抜け出しやクロスに飛び込むプレーに力を割くリンセンといった部分。実際にリンセンはこの試合でも背後への抜け出しから決定機を迎えた場面もあったが、相手の攻撃に押し込まれることの多いゲームでは、なかなか浦和が自陣から脱出できない理由の1つになるところもある。

 そうしたなかに加入したカンテは、一度ボールを受けてからゴール前に入りなおす興梠が見せるようなプレーを好むようだ。自身も「確かに自分は一度下がって受けたりしてチームワーク、チームで組織的にプレーをする事が好みだと思います。ボックスでボールを待ってというスタイルは好んでないので、一度下がってボールを受けて、クリエイトするのが自分のスタイルかもしれません」と話した。

 公式戦から約4か月離れていただけにゲーム勘もまだまだこれからの段階であり、コンディションも「フィジカル面では、30分プレーをして多少疲れを感じ、まだまだフィットするには時間が必要かなという感覚だった」という状況だけに、本領発揮には少し時間が必要だと見込まれる。それでも、36歳のベテラン興梠に掛かる負担が非常に大きい浦和の現状にあって、スペインで生まれ育ちルーツを持つギニア代表でのプレーを選択したアタッカーへの期待も大きい。川崎戦では片鱗を見せる程度に終わってしまったが、3月以降無敗の勢いに乗るチームの助けも得ながらコンディションを高めていきたいところだ。

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