「一番きつかった」 浦和CBが吐露した苦悩の日々、大怪我→復帰も痛み再発…約1年ぶりの復帰戦で感慨

川崎戦で復帰を果たしたDF犬飼智也【写真:Getty Images】
川崎戦で復帰を果たしたDF犬飼智也【写真:Getty Images】

DF犬飼智也、膝の大怪我から4月5日のルヴァンカップ・川崎戦で公式戦復帰

 J1浦和レッズのDF犬飼智也が4月5日のルヴァンカップ第3戦、川崎フロンターレ戦で約1年ぶりの公式戦復帰を果たした。長期離脱から戻ってきたセンターバック(CB)は「やっと戻ってきたなと感慨深い」と、笑みを浮かべていた。

 浦和を率いるマチェイ・スコルジャ監督は、この川崎戦で直近のリーグ戦から10人のスタメン入れ替えを敢行。その1人が犬飼だった。昨季に鹿島アントラーズから浦和に移籍加入して期待を集めたが、4月2日の北海道コンサドーレ札幌戦で負傷。左膝蓋骨骨折、膝蓋腱部分断裂の診断で手術を行い長期離脱。昨季中の復帰はかなわなかった。

 今季に入り、スコルジャ監督が就任したチームで沖縄県トレーニングキャンプでもチームに合流している姿があったが、その当時に「膝の痛みがなくなったわけではない」ということも話していた。そして今季の開幕から2試合ベンチ入りも出場機会はなく、3月8日のルヴァンカップ開幕戦の湘南ベルマーレ戦で大幅なターンオーバー起用がされた際には復帰が期待された。しかし、その試合に犬飼の姿はなかった。

 その理由が、大きなリバウンドがきたこと。犬飼は「1回チームの練習を離れた時があって、その時は普通に走ることもできなかったので、その時が一番きつかったですね。その前の週くらいからあまり良くなくて、個人的にもルヴァンで(復帰を)狙っていましたし思うところがありました」という落胆の時期を過ごした。それでも、もう一度その苦境を乗り越えて川崎戦のピッチに。約1年ぶりの公式戦にはキャプテンマークを巻いて登場してDF岩波拓也とセンターバックを組み、FWレアンドロ・ダミアンらを擁する川崎の攻撃を無失点に抑えて0-0の引き分けで乗り切った。

 約1年間という公式戦から離れた長い時間からの復活。犬飼は「今、思えば一瞬でしたけどリハビリ中は長かった。今シーズン始まってスムーズにできていたなかで、膝がまた痛くなって苦しい時間がたくさんあったので、今日はサッカーを楽しめました」と話す。

「今週の途中から、いくぞということを監督から言われた」

 持ち味であるビルドアップへの関与は「久しぶりのゲームで、もっとできたかなと思いますし、もっとチャレンジするのが本来の自分だと思う」と、少し満足できない部分を言葉にした。それでも「今週の途中から、いくぞということを監督から言われていましたし、試合に向けて自分を作っていく感覚も久しぶり。試合に出て入場する時だったり、サポーターの声援をピッチの中で聞くことだったり、やっと戻ってきたなと感慨深い試合になった。今日がスタートだと思っていますし、自分のプレーをもっともっと出せるようにやっていきたい」と話した。

 今月に入ってからは結婚も明らかになっただけに、さまざまな意味で節目の試合になった。犬飼は「まだまだここからが自分のスタートだと思っているので、今日の復帰を1つの自信として試合に絡んでいけるように練習からやっていきたい」とコメント。デンマーク代表歴を持つDFアレクサンダー・ショルツ、ノルウェーの世代別代表を経験してきたDFマリウス・ホイブラーテンに犬飼、岩波、左利きのDF知念哲矢と所属する浦和のセンターバック陣は質、量ともにJ1屈指だが、テクニカルな長所をアピールして復帰後の躍進につなげていきたい。

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