浦和の17歳&18歳が“デビュー戦”で感じたリアル 「戦う姿勢は見せられた」「周りを見えていなくて…」
ユース所属のMF早川、今季昇格したMF堀内が途中出場
J1浦和レッズは4月5日のルヴァンカップ(杯)グループステージ第3節、川崎フロンターレ戦に0-0で引き分けたが、10代の選手2人が途中出場でデビューを果たした。
浦和を率いるマチェイ・スコルジャ監督は、直近のリーグ戦から10人のスタメン入れ替えを敢行。そしてベンチメンバーにもリーグ戦でプレータイムの長い選手はあまり入れず、指揮官が「フレッシュな選手をたくさん使った」と話すメンバー構成でのゲームになった。
そして0-0で試合が推移した後半31分、チャンスを掴んだのはユース所属で2種登録のMF早川隼平だった。昨季に新型コロナウイルスの影響で多くの離脱者が出た開幕当初に2試合ベンチ入り経験を持つが、この川崎戦がプロデビュー。沖縄県トレーニングキャンプに練習参加し、3月下旬から高校の春休みも利用してトップチームに合流していたサイドアタッカーは角度のないところから強引なシュートを放つ場面もあり、勢いと野心を見せた。
自身は「何かを残してやろうという思いで入ったのはもちろんですが、緊張からなのか周りも見えていなくて、だからこそ打ってしまったというところもありました。もっと余裕を持てるくらい、もっと自信をつけられるようにしていきたい」と、プレー選択には反省も口にしたが、17歳でのデビューに「世界的に見たら、遅いほうに入る可能性もあると思います。でも、この年齢で試合に出られたのは、自分の何かには絶対になっていると思います。本当にうれしいな、というのが一番です」と喜びを語っていた。
そして、早川のデビューから10分後にピッチに送り込まれたが、今季にユースから昇格したMF堀内陽太だった。本職はボランチだが、早川が入った右サイドから川崎の攻撃を受けていたところもあり、ボール際の強さや守備力をアピールポイントに持つ堀内が右サイドハーフに入って早川がトップ下にシフトする指揮官の采配だった。
ベンチ入りが決まったこの日、「家族も見に来ていたと思います」と話す18歳は「アップ中に呼ばれた瞬間は一気に緊張もしたんですけど、いざピッチの前に立つと緊張も消えて、ワクワクした気持ちの方が強かった。ずっとピッチの中でレッズサポーターの声援を受けたかったので、まずそこの第一歩が踏み出せてうれしかった」と話す。そして、難しい試合展開での投入にも「短い時間の中で、多少は自分の良さを見せることができたのかなと思います。サイドでボールを奪う姿勢だったり、戦う姿勢は見せられたかなと思います」とデビュー戦でのプレーを振り返った。
アディショナルタイムも含めて10分ほどのプレーだった堀内だが「今回対戦したのがフロンターレということもあって、J1の中でもレベルが高いチームの強度とかスピード感に触れることができたので、これからもっと試合に絡んでいけるように、これを普通にこなしていけるようにならないとこれから活躍できないと思うので、もう一度気合を入れなおして、これからより一層頑張っていきたいと思います」と、今後への思いも話した。MF岩尾憲、MF伊藤敦樹、MF平野佑一、MF安居海渡、MF柴戸海が所属する浦和のボランチは最激戦区とも言えるポジションだが、サイドバックやサイドハーフにも挑戦しつつプレーの幅を広げることでチャンスを広げたいところだ。
スコルジャ監督は10代の2人について「今日の試合でベンチの選手たちのパフォーマンスを見る良い機会にもできた。その中には非常に能力の高い早川や堀内のような選手もいた。戦う部分も見えたし、スキルも見せられたと思う。浦和の将来を担う選手たちだと思う」と期待を語った。