手を使ったチャンス阻止、なぜ退場にならない? J3松本山雅×鳥取の事象を検証…元Jリーガー「印象は悪い」

松本山雅FC対ガイナーレ鳥取のワンシーンが取り上げられた(写真はイメージです)【写真:高橋 学】
松本山雅FC対ガイナーレ鳥取のワンシーンが取り上げられた(写真はイメージです)【写真:高橋 学】

鳥取DF鈴木の手を使ったファウルを検証

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「ジャッジリプレイ」で、4月2日のJ3リーグ第5節、松本山雅FC対ガイナーレ鳥取(0-0)のワンシーンが取り上げられた。鳥取のDF鈴木順也のファウルがDOGSO(通称ドグソ/Denying an Obvious Goal-Scoring Opportunity/決定的な得点機会の阻止)に該当するかが議論されている。

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 前半14分、松本山雅が左サイドに攻撃を展開しようとしたボールが鳥取の選手に当たってゴール正面で最終ラインの背後へ。高く弾んだボールに先に追いつこうとした松本山雅FW小松蓮を鈴木が背後から手を掛けて倒したが、石丸秀平レフェリーの判断はイエローカードだった。

 ゲスト出演した元日本代表MF藤本淳吾氏は「腕を使って止めている。自分より前に体が入っている状態」と指摘。一方で、ファウルがなければ小松がシュートを打てる状況だったかどうかについては「無理だと思います」として「右後ろにDFがいて、取られないようにする。そうするとカバーする反対のセンターバックが戻れる」と話した。その上で、イエローカードの判定は妥当という意見だった。

 ゲスト出演した柏レイソルなどでプレーした増嶋竜也氏は「僕もこういうシーンでよく退場しました」と笑ったが、プレー自体は鈴木の判断ミスの要素が多いと指摘した。一方で「これでシュートを打たれることはないと思う」と話して、DOGSOにはあたらないという見解でイエローカードの判定が妥当と意見した。一方で「肩に手を掛けている時点で印象は悪い」とも指摘している。

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「スルーパスはよく見るが、浮き球は珍しく興味深いシーン」としたうえで、「イエローカードとレッドカードの間にあるオレンジ色のプレー」とコメント。レッドカードとのバランスでは「40%くらいの位置でイエローカード」と話す。DOGSOとなる4要件の中で、ボールをキープまたはコントロールできる可能性について「山なりで大きく弾んでいるときのファウルコンタクトなので、コントロールした後にシュートかどうかの場面なので大きく下がる。状況的にはDOGSOと言えると一瞬思うけれども、個別に見ると赤よりも黄色の要素が強いシーン」と解説した。

 また、仮に松本山雅の左サイドに展開しようとしたキックがあった瞬間に小松がオフサイドポジションにいた場合は、現行ルールでは守備側の意図を持ったプレーではなくディフレクションと解釈されてオフサイドの反則になるという見解を家本氏は示した。一方で、この場面については真横からの映像はないものの小松のポジションはオンサイドであろうという結論だった。そうした意味で、家本氏はこのゲームを捌いた審判団のナイスジャッジだったと話していた。

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