新生・森保Jが呼ぶべき「違いを作れる」希有な3人は? 日本代表OBが切望「こればかりは監督の権限だが…」
【専門家の目|金田喜稔】古橋亨梧、旗手怜央、鈴木優磨は「招集されてもいい」
森保一監督率いる日本代表は、第2次体制の初陣となった3月24日のウルグアイ戦で1-1と引き分け、同28日のコロンビア戦で1-2と逆転負けを喫した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は「6月シリーズで招集されてもいい」と、違いを作れる3選手の名前を挙げている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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「日本代表は新たなビルドアップの形にトライしていたが、この方向性を目指すのであれば、古橋、旗手、鈴木あたりは6月シリーズで招集されてもいい」
3月シリーズを終えたなか、金田氏は新たな“招集リスト”に加えてほしい3選手について言及。今シリーズでは選外となっていたスコットランド1部セルティックのFW古橋亨梧とMF旗手怜央、鹿島アントラーズのFW鈴木優磨の名前を挙げている。
「例えば古橋は、パスの受け手として輝くタイプ。今、日本代表が目指しているビルドアップの形が定着したら、スペースを巧みに突く古橋のようなタイプも生きてくる。3月シリーズでは、パスの出し手となる鎌田はあまり機能しなかったし、中盤も機能不全に陥っていた。ただ、ビルドアップやパスの出し手の問題が改善されてくれば、ストライカーとして古橋を前線に置くのは一案だろう」
日本代表の新たな試みを考慮したうえで古橋の存在価値を強調した金田氏。さらに旗手と鈴木についても触れている。
「攻撃の時間を長くしようと考えた時、旗手も間違いなく必要な人材。ポゼッションサッカーに慣れているし、サイドバック、ボランチ、2列目など複数のポジションに対応できるのもメリットだ。新生日本代表という観点から言えば、特に『違いを作れる選手』は積極的に呼ぶべきで、チャンスを与えてほしいという思いがある。違いを作れる選手は希有。そういう意味では鈴木もその1人だろう」
森保ジャパンは6月15日(対戦国未定/豊田スタジアム)と同20日(対戦国未定/パナソニック・スタジアム)に国際親善試合を予定。9月の海外遠征、10月の国内2試合を経て、11月からワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼アジアカップ予選に突入する。
「3月シリーズで招集しながら起用しなかった選手もいるし、ほかにも代表で見たい選手は多くいる。例えばMF川辺駿(スイス1部グラスホッパー)もその1人。Jクラブにも、海外クラブにもいい選手はいる。もちろん森保監督の構想と合わない選手もいるだろう。こればかりは監督の権限だから致し方ないのだが、新たな船出を切った今こそ、どんどんチャンスを与えてほしい」
カタールW杯組と新戦力の融合を1つのテーマに掲げている森保ジャパン。ビルドアップの新機軸も打ち出すなか、6月シリーズのメンバー選考にも注目が集まりそうだ。