鎌田大地、ボランチ起用の意図は? 第2次森保ジャパンが模索、「戦い方の選択肢」との関係性

コロンビア戦ではボランチで出場した鎌田大地【写真:徳原隆元】
コロンビア戦ではボランチで出場した鎌田大地【写真:徳原隆元】

コロンビア戦で鎌田は守田とボランチでスタメン出場

 森保一監督が率いる日本代表(FIFAランキング20位)は、3月28日にキリンチャレンジカップのコロンビア代表(同17位)戦に臨み、1-2で逆転負けした。カタール・ワールドカップ(W杯)以降初めての代表戦で、森保ジャパン第2次政権の初陣となった24日のウルグアイ戦(1-1)から2試合通し、未勝利となった。そのなかで2試合連続先発したMF鎌田大地(フランクフルト)はトップ下とボランチでプレー。その狙いを探る。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞)

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 コロンビア戦、日本は前半3分、MF守田英正(スポルティング)の右クロスからMF三笘薫(ブライトン)が高打点のヘディングシュートを叩き込み、先制。だが同33分、ボールロストからFWジョン・ハデル・ドゥランに同点ゴールを許して1-1のままハーフタイムを迎えた。後半も追加点を奪えないまま迎えた同16分、FWラファエル・サントス・ボレに豪快なオーバーヘッドキックを叩き込まれ失点。日本はその後、FW上田綺世(セルクル・ブルージュ)が高い打点からのヘディングシュートを放つなどゴールに迫ったがそのまま1-2で敗れた。

 初戦のウルグアイ戦ではトップ下としてスタメン出場した鎌田。思うようにボールに触れられず存在感を発揮できなかったが、かねて自身も「ボランチの選手」と話すように希望のポジションで先発したコロンビア戦では、センターバック(CB)との連係を図り縦への推進力を出そうと突破を試みた。

 森保ジャパンの第2次政権スタートとなった3月シリーズでは、攻撃パターンを増やすために新たな挑戦に打って出た。サイドバック(SB)が中に入っていき、相手サイドハーフをつり出したなかでサイドを切り崩す。三笘や久保建英(レアル・ソシエダ)らタレント揃いの2列目を生かし、3年後のW杯では悲願のベスト8を達成するためだ。そのために今回はポゼッションサッカーを目標とした。鎌田のボランチ起用はボールを保持して展開するなかで、森保監督が試したかったオプションだったのだろう。

 試合後、指揮官は「鎌田の起用については我々の戦い方の選択肢を増やすということで、所属チームでもやっているボランチのポジションを代表でも選択肢として持てるようにと。W杯でもすでにドイツ戦で経験しているが、そういう起用をした。出場時間に関しては、あらかじめ決めていた交代」と説明した。

 鎌田は「自分が初めて4バックに対してのボランチをやったので、自分にとっての発見でもあったし、守備も3バックの時と4バックの時のボランチでは違うので新しく知ったことが多かった」と、今後に向けてさらに追及していく必要があると振り返った。

 日本はかつてボランチ大国として名選手を輩出してきた。MF遠藤航(シュツットガルト)や守田、MF田中碧(デュッセルドルフ)らが現在の中盤を支えるなかで、鎌田も競争に加われば相手や戦術によって日本のオプションが増える。また、現役時代に名手として名を馳せた名波浩コーチの引き出しも“ボランチ王国”の復権に不可欠だろう。

 今後、世界の強豪に名を連ねるためにどのようなポゼッションサッカーを目指していくのか。鎌田の役割とともに森保監督の築き上げる第2次政権に注目だ。

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