アンチェロッティ監督が憂う母国イタリアセリエAの現在 「カルチョに対する興味が失われている」

インフラの整備が問題

 レアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ監督がセリエA凋落の理由について「ほとんど魅力がない」などと厳しく断罪した。イタリア一般紙「ラ・レプブリカ」のインタビューで語った。
「イタリアのサッカー界はマドリードからいかに映っているか」
 そう尋ねられた、イタリア人指揮官はこう答えたという。
「心配だ。すべての国が成長を遂げているのに、われわれには変化がない。サンシーロのスタンドが空っぽなのは悲しい。カルチョに対する興味が失われている」
 かつてセリエA全盛期にACミランと、ユベントスなどの名門を率いた名将は母国のサッカー界の活気のなさを嘆いた。
 八百長問題、スタジアムでのウルトラスと機動隊の衝突などでセリエAはブランドイメージを下げ、殺伐としたスタンドは次第に空虚となった。集客数はクラブの収入減を逼迫し、世界の一流選手がイタリアへの移籍を望まず、リーグの競争力が低下する。かつての欧州最強リーグは、その悪循環の真っただ中にある。そこで、アンチェロッティ監督はインフラ面の整備により、安定した入場者収入の確保から始めることを主張した。
「リーグにはほとんど魅力がないので、勝利者を引きつけるものがない。スタジアムとインフラが重要な問題だ。ユベントスのようなクラブには自前のスタジアムが必要だ。マンチェスター・ユナイテッドはスタジアム収入が1億8000万ユーロで、ミランが2000万ユーロという現実に目を向けるしかない。税金は関係ない。スペインでも税金は50%持って行かれるが、レアルは(本拠地)ベルナベウ以外にもブランド力を高めるために投資を続けている。ミュージアムには年300万人も来場するのだから」

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