「相性はいいはず」 森保Jのコロンビア戦予想スタメン、日本代表OBが期待する攻撃コンビは?
【専門家の目|栗原勇蔵】ウルグアイ戦のメンバーを残しながら一部選手を入れ替えへ
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング20位)は3月28日、キリンチャレンジカップでコロンビア代表(同17位)と対戦する。昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)後初、第2次政権初陣の見どころを元日本代表DF栗原勇蔵氏に訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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3月24日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)後初の公式戦となるウルグアイ戦は、W杯組以外のメンバーとしてDF瀬古歩夢(グラスホッパー)、DF菅原由勢(AZアルクマール)がスタメン出場。後半29分から投入されたMF西村拓真(横浜F・マリノス)が殊勲の同点ゴールを決め、終盤の同44分にDF橋岡大樹(シント=トロイデン)とA代表初選出のFW中村敬斗(LASKリンツ)がピッチに立った。
3月シリーズ2試合目のコロンビア戦では、さらなるテストを進めたいところだが、元日本代表DF栗原氏は「相手が南米の強豪コロンビアなので、全員を入れ替えると痛い目に遭うかもしれない」として、守備陣はDF板倉滉(ボルシアMG)を残すと予想する。
「板倉と菅原は残して、もう1つのセンターバック(CB)に追加招集の町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)、左サイドはバングーナガンデ佳史扶(FC東京)を使うのも一手だと思います。CBは後半に藤井陽也を入れてテストするかもしれません」
一方GKに関しては、3月27日の前日会見でシュミット・ダニエル(シント=トロイデン)を次も起用する意向を明かしており、“変更なし”の可能性が極めて高い。栗原氏も「連続起用の可能性もある」と事前に予想を展開していた。
ボランチはゲームキャプテンを務めたMF遠藤航(シュツットガルト)を温存させ、MF守田英正(スポルティング)の相棒にウルグアイ戦で途中出場したMF田中碧(デュッセルドルフ)を起用か。栗原氏は「遠藤航も30歳とベテランになってきてるし、オーバーワークしてしまうタイプ。怪我のリスクを考えたら、2試合連続でスタメン起用は少し怖いので、無理して使わなくてもいいのかなと思います」と語る。
難しいのは2列目よりも前の顔ぶれだ。新型コロナウイルスの陰性確認が取れずに出遅れたMF久保建英(レアル・ソシエダ)は25日からトレーニングに参加しているが、前日会見で森保監督が「先発は難しい」コンディションであることを明かしている。MF三笘薫(ブライトン)を早めに交代させることも視野に2戦連続でスタメン起用し、トップ下にMF西村拓真(横浜F・マリノス)、右サイドにMF伊東純也(スタッド・ランス)、1トップにFW上田綺世(セルクル・ブルージュ)を並べる形を栗原氏は予想する。
「伊東がドリブルだけでなくクロスもいいものを持っているので、上田との相性もいいはず。そこに西村が飛び込んでくるのも面白い。三笘のドリブル突破は南米の選手一番苦労するタイプ。ステップを踏めるし、アジリティーもあるので、世界の強豪相手にどれくらいできるのか見てみたいですね。中村敬斗にも期待したいところですが、おそらくスタートからは使わないでしょう」
サイドバック(SB)がインサイドに入るという4バックのオプションを試すなど、カタールW杯からの上積みを目指す森保ジャパン。前日会見で「基本的にはウルグアイ戦を中心に、何人か変えていくことを考えている」と明かしているが、指揮官がコロンビア戦でどのような采配を振るうのか、興味深い。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。