“日本一の頭脳派集団”東大サッカー部、久保建英ら師事の名トレーナーが感じた3年間での意識改革

体幹トレーニングの第一人者、木場克己氏【写真:FOOTBALL ZONE】
体幹トレーニングの第一人者、木場克己氏【写真:FOOTBALL ZONE】

木場克己氏、東京大学運動会ア式蹴球部でスプリント強化の体幹トレーニングを実施

「KOBA式体幹バランストレーニング」を主宰し、日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダ)らのトレーナーを務める木場克己氏は、今季東京都1部リーグに復帰した東京大学運動会ア式蹴球部(体育会サッカー部)でフィジカル強化を担うスペシャルアドバイザー就任3年目を迎えた。

 3月、木場氏は東大農学部グラウンドで今年初となる指導を実施。林陵平監督が率いる日本一の頭脳派軍団のスプリント力強化につなげる体幹トレーニングを行った。

 5000m日本記録保持者の廣中璃梨佳ら数多くのオリンピアンを擁する日本郵政グループ女子陸上部でも指導を行なっている木場氏は、「林監督が3年前に招聘されてから、選手たちのサッカーへの意識が変わってきているように感じます」と、東大生アスリートの変化を実感している。ただ教わるだけでなく、トレーニングの意図や効果を把握する理解力、それを選手同士で教え合うこともできる応用力は、やはり日本最大の頭脳。さまざまな大学でも指導や講演を行ってきた木場氏も、「ちゃんと話を聞いて、理解しようとしてくれるし、自分の弱点を克服するためにはどうすればいいかと聞かれたりもする。自分としてもすごくやりやすい」とその姿勢に感銘を受けている。

「3年前から彼らを見てきて、トレーニングに対する意識は大きく変わったと感じます。最初はただ見様見真似でやっていたものが、今ではサッカーに必要な体幹が何かを意識できるようになってきた。自分が長友佑都(FC東京)や久保建英たちに教えてきたことを彼らにも教え、それをどうすればサッカーに生かせるのかを理解することができています」

 当初から取り組んできた体幹の土台作りは順調に進み、新たなステップに向かっている。ア式蹴球部では今年から多くのプロスポーツ選手に走り方の指導を行ってきた秋本真吾氏がスプリントコーチに就任。木場氏が東大生に植え付けてきた体幹と秋本氏が教えるスプリントの融合の期待も高まる。

「東京都1部リーグは強豪校揃い。そのなかで彼らはどこまで戦えるのか。今年はフィジカルもメンタルもウィークポイントを強化していくような流れを作っていければなと思っています」

 東京都1部リーグに再び挑むア式蹴球部。名伯楽の指導でフィジカル面の弱点を鍛え上げ、厳しい競争の中で勝ち抜くことはできるだろうか。

[プロフィール]
木場克己(こば・かつみ)/KOBA式体幹バランストレーニング協会代表。都内でトレーニングジム「COREトレSTUDIO」運営。鍼灸師、柔道整復師。FC東京ヘッドトレーナー(1995~02年)を経て独立。久保建英、中井卓大らの専属トレーナー。

(石川 遼 / Ryo Ishikawa)



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