長友が振り返る親友本田との一戦 髪染めマッチは「ピンクか紫で迷った。まあするわけない」と笑顔
親友をおもんばかる優しさ
インテルDF長友佑都は23日、ACミランとの1-1に終わったミラノダービーで先発フル出場した。後半16分にサイドからのクロスでMFオビの同点弾を演出するなどの活躍を見せたダイナモは、親友でもある日本代表FW本田圭佑のスーパーサブの脅威を振り返った。
ロベルトマンチーニ新監督の初陣となった決戦は、親友同士の日本人ダービーでもあった。注目の一戦で4-2-3-1システムの右サイドバックを務めた長友は笑顔を浮かべながら、本田の今季公式戦初の途中出場をこう語った。
「(本田は)出てくるだろうなって思っていた。でもまあ、嫌な時間帯に、僕らも疲れている時間帯に、彼が入ってきた。もう最悪だなと思いながらプレーしていました。キープ力も高いし、体も強いんで、改めて敵にして、嫌な選手だなと思いました」
本田は後半28分からFWフェルナンド・トーレスと交代で出場した。後半32分にはサイドから切り込んでシュート。相手GKハンダノビッチにセーブされたが、見せ場をつくった。
同時先発も期待されたが、それはかなわず。「圭佑とマッチアップっていうよりは、まあ試合に勝ちたいっていうところです、今日も勝ちたかったですけど」と長友は語る一方、本田も試合後、長友について「危険な存在」と語っていた。長友は、それに笑顔で反応した。
「まあ、お世辞言ってるだけだと思う。もっともっと怖い選手に僕自身がなれるようになりたい」
試合後は健闘を称えあった2人だが、試合前はクラブの公式ツイッターで“トークバトル”を展開。前哨戦として超満員のダービーを盛り上げる話題づくりも担った。
負けたら髪の毛を紫に染めることを本田に提案した長友は「チームのツイッターでピンクか迷ったんですけど……ピンクはちょっとまずいかと思って紫にしました。まあするわけないですよね」と、満面の笑みで振り返った。ドローに終わった試合後のピッチでは多くの言葉を交わさなかった。
「ちょっと話しただけ。まあ彼とは常に連絡を取り合ったりしているし、ミラノでは食事もしているんで。そんな多くは語らなくても、分かっているから」
注目のダービーで今季初めて先発落ちとなり、6試合ぶりのゴールやアシストという結果も出せなかった本田の悔しさは痛いほどわかる。長友はサンシーロのミックスゾーンで親友の心中をおもんばかる様子だった。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images