鹿島MFピトゥカへのイエロー提示シーンを「Jリーグジャッジリプレイ」で検証

　スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、3月18日のJ1第5節、横浜F・マリノスと鹿島アントラーズの試合が取り上げられた。このゲームでは、鹿島のMFディエゴ・ピトゥカが後半アディショナルタイムに立て続けに2枚のイエローカードを提示されて退場処分になっていた。

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　まず、横浜FMが鹿島の最終ライン背後にボールを出したプレーで、カバーに入ったピトゥカが完全に前に入ってボールをコントロールできる場面で、横浜FMのFWヤン・マテウスがピトゥカをうしろから蹴ったことでファウルの笛が鳴った。ピトゥカは激高し、谷本涼レフェリーに対してマテウスへのイエローカードを要求するようなジェスチャーを行い、逆にイエローカードを示された。

そして、その判定に対して拍手を送るなどレフェリーへの挑発的な態度もあったが、そのままフリーキックで再開されプレーが流れた。その1分後、高く上がったボールに対して反応したピトゥカは相手MF喜田拓也に背後から体当たりをして2枚目のイエローカードを提示され退場になった。

　ゲスト出演した元日本代表DF槙野智章氏は「（ピトゥカに）もっと（カードが）出てもおかしくなかった」とコメント。そして「1枚目のカードを出された瞬間にレフェリーに挑発的な行為をしている。この瞬間にレッドカードが出ると思った。でも、レフェリーはそれを流した。そのあとにこの（喜田へのファウル）シーン。鹿島の関係者からすれば『なぜ、こういうことをするの』というもったいないシーン」と話した。そして2枚のイエローカードのプレーも「人に行っているし、ボールも見ていない」と指摘して、「レッドカードに関しては妥当」という意見を残している。

　元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、この試合中にレフェリーに対しての強い意義や囲い込むところでカードが出なかったことから「ちょっと違和感を持った。その前にもっと丁寧にマネジメントしたほうがいい。なぜなら、ピトゥカ選手は先に蹴られている。十分に怒るのが理解できる」と指摘。競技規則や今季の審判委員会が発しているメッセージから間違えた判定とは言えないが、それまでの積み重ねがあったゲームの一部としての判断に疑問を呈した。

「イエローカードが絶対に必要かと言われると、状況を見た時にそうは判断しない」

　そして、挑発行為の部分には「この時点でレッドカード。それこそ競技規則上は。だったら、そこで無視せずにピトゥカ選手と話せばよかった。そこでコミュニケーションを取ってメッセージを伝えれば、もしかしたら少し落ち着いたかもしれない」と指摘。そして2枚目のイエローカードについて「力加減やタイミングは100%イエローカードとは言えないもの。この判定にも違和感。それまで色々とマネージして対応していたのに、なぜいきなりスパッとカードを抜いたのか。レフェリー自身のメンタリティー、セルフコントロール値を超えていた。あるいは映像の映っていないところでピトゥカ選手とのやり取りがあって冷静な判断やゲームの温度を感じずに少しナーバスになってしまった可能性はある」として「冷静に見たら両方ともイエローカードが絶対に必要かと言われると、状況を見た時にそうは判断しない」と話した。

　元国際審判員の深野悦子氏は「テクニカル的には間違いではないが、何らかのマネジメント、出さないで済む方法があったのではないか。1枚目の激高した状態でプレーさせたら何かが起こるというのもあったと思うし、ファウルをしたマリノスの選手にも対応をしたのか。嫌なファウルだったと思う。両方に対応したのかというのがあったうえで次が来たので、そういう場面が来てしまうのかとも思う」として、2-1で横浜FMのリードで残り時間が少ないことも加味すれば「なおのこときちんと止めて、マネジメントするチャンスがあったのではないか」と話していた。

　また、マテウスのプレーがイエローカードに該当するかという点についても深野氏は「なり得るもの。100%イエローとは思わないが、後方から全くボールにプレーする意図がなく蹴っていて、強さはなかったが、無謀さや反スポーツ的行為、この試合をまとめるという意味でも出しておかしくなかった」としていた。