ギニア代表FWホセ・カンテの中国→日本移籍、中国ファンは退団に惜別「今やJリーグに引き抜かれるように…」

浦和に加入のギニア代表FWホセ・カンテ【写真:Getty Images】
浦和に加入のギニア代表FWホセ・カンテ【写真:Getty Images】

中国では給与未払いのが多発している背景もあり

 J1浦和レッズは3月13日、昨シーズン中国1部の滄州雄獅足球倶楽部でプレーしていたギニア代表FWホセ・カンテを完全移籍で獲得したことを発表した。

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 1990年生まれのカンテは、スペイン出身だがルーツのあるギニア代表で26試合でプレーした経験を持つ。クラブレベルではスペインからキプロス、ポーランド、カザフスタンを経て2022年に中国へ渡った。浦和が中国リーグから選手補強するのは、今回が初めてのことだ。

 カンテは昨年、中国1部相当のスーパーリーグで後半戦からの加入ながら、16試合で14得点を挙げ、滄州の残留に大きく貢献した。特筆すべきは上位陣への強さで、リーグ優勝した武漢三鎮相手に1試合4得点、2位の山東泰山戦ではハットトリック、3位の浙江からも2得点。武漢三鎮戦は相手にシーズン初黒星を付けたこともあり、数字以上の鮮烈な印象を与えた。

 それだけに、「滄州はなぜこれだけの選手を放出したのか?」「ほかの中国クラブが獲得できなかったのか?」という疑問が生じる。中国の大手スポーツメディア「新浪体育」などによれば、給与未払いも背景にあるようだ。

 ゼロコロナ政策に加え、大手デベロッパー・恒大グループのデフォルト騒動を筆頭に不動産業界の冷え込みは日本メディアでも報じられた。中国のサッカークラブは多くがスポンサーが不動産会社であったり、または不動産関連事業に携わる会社が多く財政面で大きな影響を受けた。2022年時点で大半のクラブに給与未払いが発生しており、滄州雄獅も例外ではなく主力選手は数か月分の給与未払が発生しているとされる。

 カンテはまだ滄州と契約期間が残っていたが、給与未払いを理由に契約解除し、移籍金ゼロで浦和レッズに加入したと見られる。滄州や多くの中国クラブは財政難や給与未払いの解決に必死で、その隙に移籍金ゼロというメリットもあって浦和への移籍が加速したようだ。

 中国のネット、SNSでは「あれほどの選手が去ってしまう」と惜しむ声が多いが一方で、「給与未払いなら去ってしまうのも当然だ」「かつては欧州トップリーグから選手を獲得していたが、今やJリーグに引き抜かれるようになってしまった」と自国リーグの凋落を嘆く声も多かった。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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