元なでしこジャパン高倉監督、新天地・中国で感じるアジアと欧州の差 「W杯でアジア勢が勝てればいいですが…」

高倉麻子監督が感じる日本と欧州の差とは?【写真:Getty Images】
高倉麻子監督が感じる日本と欧州の差とは?【写真:Getty Images】

2023年女子W杯に出場する日本は「チーム全体で戦う必要がある」

 かつてなでしこジャパン(日本女子代表)を率いた高倉麻子監督は、今年から中国女子サッカーリーグの上海農商銀行で指揮を執っている。現役時代に日本代表として79キャップを刻み、引退後は指導者として2012~15年に4年連続でアジアサッカー連盟(AFC)の最優秀女子監督に選出されるなど、選手・指導者の両方で成功している高倉監督に中国側の期待と注目は小さくない。

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 そんな高倉監督は中国紙「新聞晨報」のインタビューで、今年7月にオーストラリアとニュージーランドで共同開催される女子ワールドカップ(W杯)を控え、近年成長著しい欧州勢に対して、日中両国ともに厳しい状況ながら、それぞれ解決すべき方向は異なると語っている。

「欧州勢の成長には私も驚いています。ただ、これらは欧州に元々あるサッカー文化や雰囲気、優れた指導者や環境によるもので順当なことです」

 高倉監督自身、日本代表の指揮官として2019年にフランスで開催された女子W杯で、準優勝するオランダにベスト16で敗退。来たる2023年W杯で日本はスペインと、中国は欧州王者イングランド、デンマークと欧州の強豪と対戦するが、「アジア勢が勝てればいいですが、欧州勢の成長は著しく、容易ではありません」と話す。

 日本に関して「個人能力でなくチーム全体で戦う必要がありますが、身長やパワー面で欧州勢に敵わない。この点は日本の課題です」と日本のフィジカル面の劣勢を指摘。一方で、中国については「細かいディテールをしっかりし、試合を読む力が必要」と見解を述べた。

「中国女子サッカーはかつて栄光の時代があり、フィジカル、速度など各方面で欧州に劣っていませんでした。ただ、試合を読むことや攻守の切り替えなど、細かい点が中国の課題です」

 女子サッカーの今後の発展については、「戦術面は、インターネットの発達でいくらでも研究できる。女子はフィジカル的に男子に敵いませんが、世界のサッカーの発展の趨勢から女子サッカーは大きな発展の可能性があります」とした。

 総じて、欧州勢のフィジカル、日中の強み弱みともに、男子代表に共通している印象を受ける。ただ男子と異なり未知のポテンシャルが多い女子サッカー、今後日中両国を含めて世界の勢力図がどうなるか、注目したい。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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