浦和レッズ、連敗スタート→2連勝で掴んだ好感触 意図が見えた「狙いどおり」の決勝弾
伊藤の鮮やかな先制点を守り切り、神戸とのアウェー戦で1-0勝利
浦和レッズは3月11日のJ1第4節で開幕3連勝中のヴィッセル神戸と対戦し、1-0の勝利を収めた。鮮やかな先制ゴールを守り切る形になったが、マチェイ・スコルジャ監督は「非常にいいプレーのあとにゴールが生まれた。これも狙いどおりだった」と振り返った。
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浦和は前半21分、浦和はDFマリウス・ホイブラーテンが相手の背後へロングボール。マークを外して走り込んだMF大久保智明がヘディングで落とすと、ボランチの位置から走り込んできたMF伊藤敦樹が左足ダイレクトで蹴り込んで先制ゴールを奪った。
スコルジャ監督が「狙いどおりだった」と話すこのプレーを振り返ると、ホイブラーテンがボールを持った時点でMF小泉佳穂が左サイドに流れて相手のセンターバックを1枚引き付け、FW興梠慎三は中盤に降りてMF大﨑玲央を引き付ける。そしてファーサイド側に流れた大久保にホイブラーテンからピンポイントのフィードが通り、三方向に相手を引き出して中央に大きなスペースを作った。そこに、中盤から伊藤が走り込んでゴールを決めていることから、完全にデザインされたプレーであることが窺えた。
決勝ゴールの伊藤は「マリウス選手が蹴ってボールが浮いている時に、トモ!(大久保のこと)と呼んで、トモが一回こっちを向いてくれたので、絶対に落としてくれると思った。そのままイメージどおりのパスが来たので、うまく逆足でしたけど、うまく合わせることができて良かった」と振り返っている。
また、スコルジャ監督は「全体的にいいゲームができた。特に前半は戦術的にやりたいことを選手たちが実行してくれたと思う。後半に入ってからは相手に与えるスペースが大きくなってしまった。プレスも前半と比較して強度が落ちてきた。しかし、試合を通じて良い守備はできたと思う。相手がよりボールをキープする時間帯でも、終盤に決定機を作れた。例えばプレスのところ、この試合に特化した相手が通常プレーしているのとは違う状態に持っていくというやり方にした。前半は伊藤や(ダヴィド・)モーベルグが素晴らしい仕事をしてくれた。守備のところでキーポイントになるところを彼らが押さえてくれた」と話し、全般的な部分でも試合運びへ好印象を話した。
2連勝も指揮官は課題も指摘「さらにやらないといけない」
一方で課題は決定力の部分にあり、この試合でも大久保がGKと1対1になった場面で落ち着きを欠いてシュートをミスし、試合終盤にはFWブライアン・リンセンがゴール前で合わせ切れず。MF小泉佳穂のシュートも際どく枠を外れ、ホイブラーテンがコーナーキックから放ったヘディングはゴールポスト直撃。チャンスの数が少ないわけではないだけに、指揮官も「ここ何週間かそこに力を入れて練習しているが、さらにやらないといけない。フィニッシュのところの問題は去年の浦和も抱えていた」と、昨季リカルド・ロドリゲス監督が率いたチームのプレーを就任前にかなり分析したと話していたところから、問題が解消できていない点に触れた。
スコルジャ監督は「いいゲームをプレーした時に3点、4点と取れるような試合が続けば、選手たちもペナルティーエリア内で落ち着いてプレーできるようになるだろう」と“ケチャップ”の蓋が開く試合が訪れることへの期待を語った。開幕連敗スタートから2連勝の浦和に“ケチャドバ”の日がやってくれば、さらに強さを感じさせるようになるだろう。