熾烈を極めるJ1残留争い 残り1枠を巡り“勝ち点3”差に4チームがひしめく
“崖っぷち”の新潟と名古屋の得失点差は「2」
ゲーム終盤に天国と地獄を味わったチームもあった。まずは16位の甲府だ。福岡でのアウェー戦では前半29分にオウンゴールで先制を許す苦しい展開となり、勝ち点確保が難しいかと思われた。しかし後半34分にカウンターから最後は途中出場のFWダヴィが同点ゴールをゲット。勢いに乗ったチームは同45分にMF保坂一成のボレーシュートのこぼれ球に反応したFWドゥドゥが頭で押し込んで、劇的な勝ち点3をゲットした。
甲府が窮地から脱したのに対して、終盤に悪夢が待っていたのは新潟だった。浦和戦では前半7分に先制を許したものの、同15分に相手の連係ミスを突いたラファエル・シルバが1-1の同点に追いつくシュートを決めた。その後はステージ優勝と年間勝ち点1位を目指す浦和に対して一歩も引かない戦いを見せたが、後半45分にFW興梠慎三のJ1通算100ゴールとなる決勝弾を許し、ホームのデンカビッグスワンスタジアムで痛恨の敗戦を喫した。
この結果、セカンドステージ第15節終了時点での下位の順位は以下のようになった。
13位:磐田(勝点33、得失点差-13)
14位:甲府(勝点31、得失点差-24)
15位:新潟(勝点30、得失点差-13)
<J1残留ライン>
16位:名古屋(勝点30、得失点差-15)
17位:湘南(勝点21、得失点差-29)
18位:福岡(勝点19、得失点差-33)
磐田と甲府は29日に行われる第16節の試合に勝利すれば、新潟と名古屋の結果次第でJ1残留が決まる。そしてJ1残留ラインの狭間にいる新潟と名古屋は勝点で並ぶだけでなく、得失点差でもわずか「2」の僅差。もちろん、磐田と甲府ともに勝点を奪えなければ降格圏に転落する状況もあり得るだけに、天国と地獄を分ける戦いは最後まで壮絶なデッドヒートとなりそうだ。
【了】
フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images