ノーカード→退場の判定は妥当か? 鹿島×川崎のVAR介入案件を元選手らも考察「これがファウルなら…」

川崎DF山村和也【写真:Getty Images】
川崎DF山村和也【写真:Getty Images】

元主審の家本氏も見解、現役選手の今野泰幸&大前元紀は異なる意見を展開

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、2月25日のJ1リーグ第2節、鹿島アントラーズと川崎フロンターレの試合が取り上げられた。後半34分、突破に掛かった鹿島MF仲間隼斗を川崎DF山村和也が倒してファウルになっていた。

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 浮き球を山村の背後のスペースにコントロールした仲間が抜け出そうとしたところで、山村が仲間の体をブロックしたことに対して西村雄一レフェリーはファウルと判定。その場ではカードの提示がなかったが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の進言とオンフィールドレビューにより、DOGSO(通称ドグソ/Denying an Obvious Goal-Scoring Opportunity/決定的な得点機会の阻止)として山村にレッドカードが提示された。

 このプレーについて、ゲスト出演した関東1部南葛SCの元日本代表MF今野泰幸は「ゴールまでの距離があり独走できると思わない」として、DOGSOに該当しないという意見をコメントしている。

 同じく南葛FW大前元紀は「最初にパッと見た時は身体を入れていてファウルでもないように見えた」というプレーへの印象を話したうえで「これがファウルなら仲間選手は足が速いし行けると思うので、退場でも悪くないと思う」と判定について話した。

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、ファウルか否かについては「山村さんは途中でボールを行こうとするところから左(仲間の方向)に逃げていく。事実として山村さんはボールを保持するために相手をコントロールしたというのが成立しない。もしそのままボールに行っていれば、ボールを奪うためにプレーイングディスタンスの中で相手をブロックするという競技規則で認められている行為になるけど、山村さんがボールに行かなかった、ボールに行くことを放棄したと取れるので、相手をブロックするだけが目的になってしまうので反則になる」と説明した。

 そして、DOGSOに該当するかについて家本氏は要件ごとに整理したうえで、ゴールからの距離と相手競技者の位置と数について80%以上該当すると言い切れない部分があるため、「どちらかと言えば、レッドカードまではいかないのではないか」と話した。そしてVARをした経験から、この場面を自身に置き換えるとオンフィールドレビューを進言しなかったかもしれないとも話した。

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