鹿島MF荒木のハンド&PK判定は妥当? 元主審&現役選手が「腕」と「脇」に注目
「Jリーグジャッジリプレイ」で元主審の家本氏、今野泰幸&大前元紀が議論
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、2月25日に行われたJ1リーグ第2節、鹿島アントラーズと川崎フロンターレの試合が取り上げられた。当該シーンは後半アディショナルタイム、シュートブロックを試みた鹿島のMF荒木遼太郎のプレーがハンドと判定された。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
川崎MF橘田健人が放ったシュートに対して、荒木は左肩から腕を動かすようにしてボールにコンタクトして、シュートを枠外に弾いた。西村雄一レフェリーは、これをハンドと判定してPKを与えた。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が確認している要件をスタジアムのビジョンなどに示す「VARdict」では「決定的得点機会の阻止(DOGSO・通称ドグソ/Denying an Obvious Goal-Scoring Opportunity)の可能性」とされたが、これは得点の阻止であるため誤りだと説明されている。
このプレーについてゲスト出演した関東1部南葛SCの元日本代表MF今野泰幸は、「荒木選手の目いっぱいだと思う。スーパークリアだと思う」としたうえで「ただ、ハンドと取られても仕方がない。脇が上がっているじゃないですか。見ている立場としてはハンドと言われても仕方ないと思う」とコメント。ただ、「(判定後の荒木の)顔を見たら、肩のほうが強く当たったと思っている顔」とも話した。
また、同じく南葛SC所属のFW大前元紀は「フロンターレの選手の目線からしたら、攻撃側はみんなハンドのアピールをする。ただ、一番近くで見ている20番(FW山田新)の選手はアピールしていない。その感覚だと、肩でクリアされたという感覚なのかなと思う」と見解を述べた。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、競技規則での「肩の定義」について「脇の延長線上から上だけが肩で、そこだけにボールが当たっているのかそこ以外にも当たっているのかがポイント。そしてボールは丸いので、接点と多少のたわみがあって、それでも肩だけなのかを立証する映像があるのか」と説明。そして、「ボールの方向に意図をもって腕を動かしたのかという点で、荒木さんの左腕を見るとボールの方向に身体と一緒に動いていく。自分の意図を持って腕でコントロールしたと言えるので、映像を見たうえで主審の判断は大きく間違ってると言えず、ハンドの反則という方向に限りなく近い」と話した。
今野は荒木の立場として、「肩に当たっている、でも腕にも当たっていると言われたら『確かに』と言うしかない」と触れ、家本氏も肩とその下の腕と判断される部分の両方にボールが当たっている場合はハンドの反則になることを説明していた。