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「俺が勝たせる」 内田氏の盟友ノイアーが約束、東日本大震災翌日のメッセージの舞台裏
内田氏はフランクフルト戦後にメッセージ入りのユニフォームを掲げる
元日本代表DF内田篤人氏が、スポーツチャンネル「DAZN」の番組「Atsuto Uchida’s FOOTBALL TIME」内で、自身が過ごしたドイツに戻り、当時の思い出を振り返った。
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自身が2016-17シーズンに過ごした家やシャルケのホームスタジアムであるベルティンス・アレーナを訪ね、当時を振り返った内田氏。シャルケで活躍した姿を覚えている人は多いだろう。
そんな内田氏のドイツでのキャリアのハイライトの1つは、2011年3月12日に行われたブンデスリーガ第26節フランクフルト戦後のことだ。東日本大震災の翌日、内田氏は「日本の皆へ。少しでも多くの命が救われますように。共に生きよう!」という手書きのメッセージを書いたユニフォームを着て、ファンの前に立った。
この試合、シャルケは2-1でフランクフルトに勝利。後半39分の決勝ゴールは、内田氏の盟友でもあるドイツ代表GKマヌエル・ノイアーが自陣から蹴ったロングボールによるアシストから決まっていた。
試合後、ファンのいるスタンドの前に一列に並んだシャルケの選手たちの一歩うしろに内田氏は立っていた。チームメイトが勝利のラインダンスをするなか、日本の状況を知る内田氏は素直に喜べなかった。そんな内田氏に気づいたノイアーは、内田氏に近寄って行き、背中を押してファンの前に行かせた。躊躇しながらも内田氏は、メッセージ入りのユニフォームをファンに見せ、2人は固く手を握った。
ピッチ上で内田氏を支えたノイアーだったが、試合前にもこの日の勝利を内田氏に約束していたのだという。内田氏は「バス(の席)が隣の隣で、これ(ユニフォームのメッセージ)を書いていた時に『何?』って言われた。『今、日本が大変だから、負けたら見せないけど、勝ったら見せるよ』と言ったら、ノイアーが『俺が勝たせる』って言ってくれた」と、当時のエピソードを披露した。
そして、当時の自身の心境についても「俺もこういうふうに1人で前に出てくることはあまりやらない。発信することにはリスクもある。ドイツ人にどう思われるかも分からない。試合内容によっては『は?』みたいな話だから」と、話した。
それでも試合に勝利して掲げたメッセージは多くの人に届いたようだ。「今でも被災した人たち、東北の人たちは、『あれ、見ていました』と言ってくれるから。せめても、だね」と、さまざまな思いを持ちながら掲げたメッセージが多くの人に届いたことを振り返り、柔らかい表情を浮かべた。
(FOOTBALL ZONE編集部)