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仲川輝人、FC東京の“念願の初優勝”に期待を促す訳 「無限の力がこのチームにはある」
ポステコグルー監督からの「サッカーを楽しむ」教え
何より仲川が「もったいない」と口にしたのは、ミスを恐れて縮こまってしまった若手のことだった。「若手にとってはチャンスの場。そこで覇気のない選手とか、気の抜けたプレーは許されない」。そう話すのは、自身も同じ境遇を経験したからだった。
プロ入りから数年は「簡単に練習試合すら出られない身でもあった」。そうした雌伏の時を過ごし、2018年にアンジェ・ポステコグルー(現セルティック監督)に見出されて雄飛した。その経験則が吐き出す言葉に乗り移る。
「誰が見ているか分からないし、監督も絶対に見ている。簡単に練習試合すら出られなかった身なので、そういったプレーや試合内容を見ると、どうしてももったいない時間を過ごしていると思ってしまいます」
移籍1年目で、そうしたことを口にするのは「勇気がいるのでは」と尋ねる。仲川はそれに「なんかすいません」と笑い、こう続けた。
「勝負へのこだわりが、まだ試合経験を積んでいない選手には足りないのかもしれない。それを共有できて共通理解のなかでできてくると土台は固まる。その土台となるメンタル面は選手全員が同じベクトルでやっていかないといけない。チームとして積み上げることは非常に大変なのに崩れるのは一瞬。アンジェ体制1年目の2018年は降格の危機もあったけど、ブレずにやり続けたからこそ19年に優勝できました。今、FC東京でやらなきゃいけないことは土台を作っていくことだと思います」
そうした目の前の試合での勝負のこだわりが、アルベル・プッチ・オルトネダ監督も求める“勝者のメンタリティー”を育むことにもつながっているはずだ。
そして、その源泉には恩師の教えがある。
「サッカーって楽しまなきゃいけないし、『小学校の頃にボールを蹴っていた時の少年の心を絶対に忘れちゃいけない』とアンジェがよくそう言っていました。それが僕の心には残っています」