“レッド・マンデー”で浮き彫りとなったリバプールのエース不要論 「彼はストライカーなのか?」

マンUとの“ナショナル・ダービー”はスコアレスドロー

 リバプールは17日、プレミアリーグ第8節でマンチェスター・ユナイテッドと激突し、本拠地アンフィールドでの一戦を0-0のスコアレスドローで終えた。今季最初の“ナショナル・ダービー”で浮き彫りとなったのは、リバプールのエースFWダニエル・スターリッジの不要論だった。

 両軍ともに赤をチームカラーとしていることから、月曜日に行われたこの日の大一番は“レッド・マンデー”と呼ばれ、全世界から注目を集めたが、試合は膠着した時間が続いた。

 リバプールは先発に定着しているMFジョルジニオ・ワイナルドゥムが故障でベンチ外、MFアダム・ララーナが負傷明けであることから、4-3-3システムのインサイドハーフには今季左ウイングに定着していたMFフィリペ・コウチーニョと今季リーグ戦初出場のMFエムレ・カンを配置。代わりに左ウイングには1トップで起用されていたFWロベルト・フィルミーノが移り、1トップにはエースのスターリッジが入った。

 ユナイテッドが徹底的に守備を固めてきたこともあり、序盤から互いに好機を演出できない停滞した試合展開となったが、後半15分、スターリッジに代わってララーナが投入された瞬間、チームは一気に息を吹き返す。フィルミーノが最前線に、コウチーニョが左ウイングにと本来のポジションに入ると、連動性を高めたリバプールは果敢にユナイテッド守備網を切り崩しにかかった。

 後半26分には、左からカットインしたコウチーニョが強烈なミドルシュートを放ち、これが枠を捉えるもGKダビド・デ・ヘアのスーパーセーブに阻まれた。それでも好調ララーナの投入により、それまでの停滞感が瞬く間に吹き飛ぶこととなった。

 最終的にスコアレスで終えることとなったが、試合後、話題に挙がったのは今季精彩を欠いているスターリッジだ。解説者を務めるマーティン・キーオン氏は、英公共放送「BBC」の番組内で、スターリッジのセンターフォワード起用について懐疑的な見解を述べている。

「今のスターリッジについてだが…イングランド代表で見た彼の姿が、この日の試合でも見受けられた。彼は正真正銘のストライカーなのか? 彼の走り出しは、味方にとってもとても難しいものだ。動きとボール保持を改善しなければならない。彼はあまりに簡単にボールを失いすぎる。そして、彼はすぐ低い位置へと下がってくる。もし私が彼とマッチアップしていたら、気楽に感じるだろう。

リバプールは酷い出来だった。アダム・ララーナが投入されるまではね。それにとってフィルミーノがもう一つ前に入った。そこから本来の姿を取り戻したんだ」

 スターリッジは今季いまだリーグ戦でノーゴール。先発出場も8試合中、半分の4試合に止まっている。走行量や裏へ抜け出す動きが不足しており、チームの流動性を止めるブレーキとなってしまうケースも少なくない。かつての絶対的エースは、リバプールでその存在感を失いつつある。

 

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