“自分史上最上”の部類に入る好調ぶり FC東京“10番”東慶悟が「サッカーが楽しい」と語る訳
インテンシティーの高いプレーを自負
ストライカーやインサイドハーフ、ウイングがポケットにできたスペースに入る意識は高まっている。ディエゴ・オリヴェイラと仲川輝人がそこでボールを動かしながら決めた1点目を含め、2次キャンプ最後の練習試合となったサンフレッチェ広島戦では勝利を収めた。
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「広島は前からある程度ハメに来て、多少マンツーマン気味のスタイルのチームだと思うので、1対1が増えるとそこで優ったチームが強い。その力関係上、勝てたという感覚はあります。サッカーでは1対1、個の部分は重要だと改めて感じました」
戦術的に熟してきたこともあるが、個のレベルが向上していることもプレシーズンの好結果に反映されている。特に東を含む中盤の3人は強度が高く、対戦相手を圧迫してボールを奪い、そしてボールを動かしてチャンスを作り、このチームのエンジンになっている。
「(小泉)慶が入ってきてくれたことによって(中盤が)また競争になっているので、相乗効果が生まれている感覚はあります。誰が出てもベースの力は等しく、みんなやれると思う。あとはどんな毛色というか、選手個々に独特のスタイルがあってプラスアルファがみんな違ったりするので、それを僕が下がったところから見ていて、彼ら1人1人をどう生かそうかと考えることが面白い。そんな感覚でいます」
サガン鳥栖からやってきた小泉も舌を巻くのが、強度高くプレーしようとする東の意識の高さ。鬼気迫るプレスは2022年シーズン後半にアンカーを務めるようになってから特に顕著だ。
「たぶん、強度とかインテンシティーと言われるところは、過去を辿れば(長谷川)健太さんの頃に植え付けられたものだと思います。健太さんのサッカーではそこが重要視されていて、僕は(4-4-2の)サイドハーフを任されてかなり磨かれた。個人でもハイインテンシティーのトレーニングに取り組み、ジムに行ったり、全体練習の中で球際や寄せの強さを常に100%でやれる状況にして取り組むことはずっとやってきました」
上松大輔コンディショニングコーチ(現名古屋グランパスパフォーマンスコーチ)在籍時から始めて6年。その努力が実りつつある。
「キャンプから身体が動くんですけど、まだまだ。もっと良くしたい。サボろうと思えばサボれるし、強度高くプレーするかどうかは意識次第。そこでサッカーを仕事と考えて、追い込むべきところを追い込むことがピッチ上のパフォーマンスにつながってきます」
後藤 勝
後藤 勝
ごとう・まさる/小平市在住のフリーライター。出版社、編集プロダクション勤務を経て独立。1990年代末に「サッカー批評」「サッカルチョ」などに寄稿を始めたことがきっかけでサッカーに携わるようになり、現在はFC東京、FC岐阜、東京都社会人リーグを中心に取材。著書に「トーキョー ワッショイ! FC東京 99-04 REPLAY」(双葉社)「エンダーズ・デッドリードライヴ-東京蹴球旅団2029」(カンゼン)がある。ウェブマガジン「青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン」「ぎふマガ!〜FC岐阜を徹底的に応援する公式ウェブマガジン〜」の執筆を担当。