J1鳥栖が挑む新シーズン、アンダー代表候補も加入…“好敵手”湘南との開幕マッチへ監督も気概

鳥栖を率いる川井健太監督【写真:(C) Jリーグ】
鳥栖を率いる川井健太監督【写真:(C) Jリーグ】

昨季は終盤に失速して11位、若手を加え躍進誓う

 30周年を迎えるJ1リーグの開幕節、サガン鳥栖は湘南ベルマーレをホームに迎える。昨シーズンは主力の大幅な入れ替わりを乗り越えて、川井健太監督のもとで、攻守にアグレッシブなフットボールを展開した。しかしながら、終盤に失速して11位に終わった。その象徴的な試合が3-0で敗れた、第33節の湘南戦だった。

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「完敗の試合でした。全てで上回られた試合と認識してます」

 Jリーグキックオフカンファレンスに登壇した川井監督はそう振り返りながら、「今シーズンの開幕戦ということで、あの教訓は間違いなくある」と語る。山口智監督が率いる湘南いついて「選手たちのメンタリティが素晴らしく、走ってくる。追いついてくる」と認めるが、鳥栖と共通する、そうした部分でも上回る開幕戦になることを思い描いているようだ。

 川井監督は湘南にシンパシーを感じているようだが「湘南さんの良さを認めつつも、逃げるのではなく受け止めて、しっかり対応していくしかない」と強調する。

 今年の強みに関して「選手層ですかね。誰が出ても、チーム力が落ちることがない」と川井監督。昨年のオフと大きく違うのは、主力の大半が残ったこと。そこにJ3松本山雅から来たU-20日本代表候補のFW横山歩夢など、個人でも違いを出せる選手たちを加えた。すでに川井監督のサッカーを知る選手たちが残り、新加入の選手たちに伝えてくれるので、チームの共有が早いこと。そこは川井監督も確かな手応えを感じていそうだ。

 攻守の運動量というのは鳥栖の生命線になるが、やはりゴール前での決め手を出せるかどうかというところも、湘南戦のキーポイントであり、躍進を狙うシーズンのバロメータにもなりうる。就任1年目だった昨シーズンから「すべてが完璧にいけばJ1を優勝できる」という指標を打ち立てていたが、最終結果は11位だった。

 量と質の両面で90分のパフォーマンスを引き上げ、それをシーズン持続させて行けるか。もちろん「しっかり出続けて、代表に選ばれるようにしたい」と語る19歳のDF中野伸哉をはじめとして若手も多く、彼らの成長力も最終順位に大きく影響してくるはず。

「いいスタートを切りたい」と意気込む41歳の指揮官のもと、湘南を相手にどういった結果を導けるか注目だ。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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