PK疑惑に元プレミア主審が“誤審”主張 チェルシーMFのシュートを左腕でブロックし波紋
チェルシーMFギャラガーのシュートをウェストハムDFソウチェクが左腕でブロック
イングランド1部チェルシーは現地時間2月11日のプレミアリーグ(PL)第23節でウェストハムと対戦し、1-1で引き分けた。またも勝利を逃す結果となったが、この試合では相手選手のペナルティーエリア(PA)内でのハンドが見逃されたと波紋を呼んでいる。
チェルシーは前半16分にこの冬の新戦力FWジョアン・フェリックスのゴールで先制。同じく新加入のMFエンソ・フェルナンデスのクロスをポルトガル代表FWがうまく合わせた。しかし、同28分には元チェルシーのDFエメルソン・パルミエリに同点ゴールを許した。
すると同点のまま迎えた後半44分に議論となっている事象が発生する。チェルシーのMFコナー・ギャラガーがゴール正面から左足でシュートを放つと、これをエリア内でウェストハムのMFトマーシュ・ソウチェクがブロック。その際にボールはソウチェクの左手に当たったが、ハンドは取られず、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)による介入もなかった。
試合はそのまま1-1で終了。またも勝利を逃したチェルシーはこれでリーグ戦3試合連続の引き分けとなった。チームを率いるグレアム・ポッター監督はインタビューでソウチェクのプレーを「グッドセーブだった」と皮肉った。
英紙「ロンドン・イブニング・スタンダード」は「VARはなぜチェルシーにペナルティーキック(PK)を与えなかったのか」と特集。現地の解説者たちが審判団の判定に異議を唱え、酷評するなかで元プレミアリーグ主審のピーター・ウォルトン氏は「規則は明確だ。規則ではその部分を不自然に大きくすることについて言及している。VARは腕が自然な位置、体の落下を防ぐための位置にあったと考えている」と競技規則に基づいた行われた判定の根拠を解説した。
ただし、その上でウォルトン氏は「よく見るとボールは膝の位置を過ぎていて、そこに腕がある。私からすればこれは故意的なものであり、VARがレフェリーにもう一度プレーを見る機会を与えなかったことに失望している」と判定は間違っていたとの見解を示している。ハンドの反則は主審の主観が判定を左右するものだけに物議を醸すことも多いが、今回のケースは誤審だったと考えているようだ。
「規則上、選手の腕が自然な位置にあったといえば選手を擁護することができる。だが、フットボール界はあのような場面でPKが与えられることを望んでいるはずだ。そして元プレミアリーグの審判として、私は今日の判定は間違いで、(チェルシーに)PKが与えられるべきだったと思う」
今節はほかにもアーセナル対ブレントフォード、クリスタル・パレス対ブライトンでそれぞれオフサイドを巡ってVARによるミスが発覚している。プレミアリーグを裁く審判団に厳しい目が向けられている。