JリーグのVAR確認時間、基準設定しない意向 野々村チェアマン明言「不正確になっては仕方ない」
「FUJIFILM SUPER CUP 」のVAR確認で時間を要した件に見解
日本サッカーのシーズン開幕を告げる「FUJIFILM SUPER CUP 2023」が晴天の国立競技場で2月11日に行われ、昨季J1王者の横浜F・マリノスが天皇杯王者のヴァンフォーレ甲府に2-1で勝利した。甲府の同点ゴールでビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の確認が時間を要した件について、野々村芳和チェアマンは「時間の基準は設けない。早いに越したことはないが、不正確になっては仕方ない」と話した。
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横浜FMが1点リードした前半44分、甲府は相手の縦パスをカットしてDFエドゥアルド・マンシャがドリブルで持ち上がり、右サイドに展開。MF鳥海芳樹の折り返しをFWピーター・ウタカが決めた。一度はピッチ上で副審のオフサイドフラッグが上がったが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の確認とオンフィールドレビュー(OFR)を経てゴールが認められた。
この時、マンシャからのパスを途中でMF長谷川元希がわずかに触っていたが、それによってオフサイドラインの確認が変化すること、ウタカがそのパスを避けるようなアクションをしていたこと、そもそも鳥海のポジションがかなりギリギリのオンサイドだったことで時間を要した。
今季からJリーグでは、オフサイドラインの確認に3Dラインが採用される。野々村チェアマンは試合前に、VARの木村博之氏とアシスタントVAR(AVAR)の飯田淳平氏に「いつもどおり、リラックスして」と伝えたが、そこでは「最初なので少し時間が掛かっても正確にやりたい」という答えがあったとも話した。そのうえで試合後に「あの場面では2か所の3Dラインが必要で、そこに時間が掛かったということだった。審判がどう慣れていくかというのもあると思う」と話した。
今季からはVARがチェックしている要件がスタジアムの大型ビジョンに映し出される。この試合でも「ゴール確認中 オフサイドの可能性」という文字が表示されていた。それについて一定の評価を与えた野々村チェアマンだが「現場に来ていただいた方の満足感へのものとして、OFRに入らない限り3Dラインの入った画面は映し出せないが、単純にその場面のハイライトを流しても良いのではないか」という所感も話した。
この場面では1つのゴールシーンの中で際どいチェック項目が複数にわたって発生したことで時間を要することになった。野々村チェアマンは、VARの確認時間について何分以内という基準を設けるかという問いに対し、「時間の基準は設けない。早いに越したことはないが、不正確になっては仕方ない」と、最大限の正確性を前提としたスピードアップを考えると優先順位を示していた。