キャンプ初練習試合で勝利、リカルド監督が口にした反省点「守備は安定していたが…」

　今シーズンのキャプテンを任命された鈴木義宜を中心に新加入選手がそこをどう立て直すのかが注目されるなか、このキャンプでは高橋がその甘いマスクとは裏腹に鬼の形相で前線、中盤の選手へ指示を出し、9年ぶりに清水に復帰した吉田は「すべてにおいて甘いし緩い。でも、それを克服できるポテンシャルはみんなが持っているし、そのキッカケとなれるようにと自分は戻って来た。チームを良くするためならば誰に対しても言うことは言う」とその愛らしいキャラクターとは違う、また9年前のヤンチャな姿からは想像できないくらい、一回りも二回りも大きくなって帰って来た姿はたくましく思えた。

　そして、北爪も専修大学時代の2014年に清水の練習に参加し、クラブもオファーを出したがJ2ジェフユナイテッド千葉へ加入。その練習参加時に取材した謙虚な姿勢と初々しさは今でも覚えているが、それから9年を経て清水へ移籍し、練習参加した2014年当時に清水で右サイドバックとしてレギュラーだった吉田と奇しくも同時に新加入となったのも何かの縁であり、移籍組の3選手には大きな期待が懸かる。

　3日目、4日目とポゼッションの練習を中心にセットプレーの練習も入念に行い、5日目に始めてJリーグ、しかも同じJ2カテゴリーのロアッソ熊本との練習試合が行われた。昨シーズン4位。そしてJ1参入プレーオフまで進出して京都サンガF.C.に対して1-1とあと一歩まで迫った熊本。しかしその原動力の主力の多くがJ1へ移籍し、この日は怪我人も多数発生しており、まだまだ完成形とはいかないもののしっかりと大木武監督イムズを感じられるチームになっていた。

　その熊本に対して清水は4-4-2のフォーメーションで臨み、主力が出場した1本目は熊本に決定的な場面は作られなかったもののボールを握られる時間が長く、見せ場は前半16分のMF松岡大起のミドルシュートぐらいだった。それでも2本目に右サイドの崩しからMF乾貴士のゴールで先制。3本目に同点とされるも4本目の27分から途中出場した昨シーズンも16歳で2種登録されトップチームでの出場はなかったがその才能は無限大の清水ユースのMF矢田龍之介の2ゴールでキャンプ初練習試合を勝利した。

「熊本のハイプレスに少し苦しんだ時間帯もあったが、この準備段階においては結果というものはそれほど気にしていない。それよりも大事なのは我々が練習してきたこと、狙いとしていることが表現できているのかということをフォーカスしている。守備は安定していたが、マークをハメて行く時にもっと連動しなければいけない」と、手応えを感じながらも反省点もリカルド監督は口にした。