Fリーグ最終節で衝撃のボレーシュート弾 名古屋ゴレイロ田淵が明かすスーパーゴールの舞台裏

名古屋オーシャンズの衝撃ゴールが話題に【写真:(C)名古屋オーシャンズ】
名古屋オーシャンズの衝撃ゴールが話題に【写真:(C)名古屋オーシャンズ】

田淵が自ら持ち上がり、味方のシュートがクロスバーを叩いたあとを豪快ゴール

 2月5日に行われた2022-23シーズンのFリーグ・ディビジョン1の最終節で、世界中に衝撃を与えるゴールが生まれた。

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 第2ピリオドの5分、自陣でボールを回す名古屋オーシャンズは、バサジィ大分の強いプレッシングにあうと、ボールをゴール前に残っていたGK田淵広史に預けた。ボールを受けた田淵は、左サイドを突破して、ブラジル代表FPガブリエル・ペネジオにパスを出す。ペネジオのシュートがクロスバーを叩き、跳ね返ったところを田淵がそのままボレーで豪快にゴールに突き刺したのだ。

 このゴールがどのように生まれたのか。試合翌日に田淵を取材した。GKへのバックパスに対して、大分は最前線のFP本石猛裕がプレッシングをかける。慌ててもおかしくない場面だったが、田淵はどこまでも冷静だった。

「ボールをもらった時、相手のピヴォのタケ(本石)がプレスをかけてくるんじゃないかと予測して、ボールをもらう前から『来た時には、プレスをはがすために前にボールを運ばないといけない』と考えていました。DFする側は方向転換が難しいので、横にずらして前に出たら前に突破することができました」

 大分の選手がカバーに来れば、すぐにパスを出すつもりだった田淵の目の前には広大なスペースが空いていた。「前に行くかどうかで迷った時に、マークがいなかったので前に運んだ」田淵だったが、ここでミスが起きていた。「ボールタッチが思った以上に大きくなったんですよ。でも、それが逆にちょうど良くなりました」。

 サッカーのサイドバックのように自陣から相手陣内へボールを運ぶと、ここで大分のフィクソがカバーに来る。トップスピードに乗ったまま、田淵は利き足ではない左足で、正確なパスをペネジオに通した。

 通常であれば、このパスを通した時点で、田淵は自陣に戻るべきだ。コートが狭いフットサルでは、ボールを失えば一気に相手に攻め込まれることになる。GKが相手陣内まで攻め込んでいたら、そのままがら空きのゴールにシュートを決められてもおかしくないからだ。

 なぜ、ここで戻らなかったのかと聞くと、田淵は「ペネジオからリターンパスが来るかなと思ったんです」と、その理由を明かした。確かに田淵からパスを受けた左利きのペネジオがリターンパスを出せば、田淵は無人のゴールにシュートを流し込める状況にあった。

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