「全部の試合が大事だけど…」 浦和復帰の興梠慎三が語ったベテランの覚悟
札幌への期限付き移籍から復帰、古巣浦和での新シーズンへ意気込み
J1浦和レッズは2月6日に一般公開でトレーニングを実施。今季、北海道コンサドーレ札幌への期限付き移籍から復帰したFW興梠慎三は「温かく歓迎されて嬉しかった」と笑顔。「こういう機会を多く作れれば」と話した。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
興梠は2013年に浦和に移籍加入して以来、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の指揮する攻撃的なチームでゴールを量産。同監督の退任後もエースとして君臨し、クラブ歴代最多得点者にまで上り詰めた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では日本人最多ゴール記録を保持するなど、国際舞台での強さもある。
しかし、2020年のリーグ最終節の負傷でリカルド・ロドリゲス監督の就任初年度になった翌年に出遅れると、出場機会を減らした。22年はペトロヴィッチ監督の率いる札幌に期限付き移籍し、1シーズンを経て浦和に戻っていた。
この日は新型コロナウイルスの影響が色濃い数年間だったこともあり、約3年ぶりの一般公開練習だった。クラブハウスから出てくるところでも拍手を受けていた興梠は「温かく歓迎されて嬉しかった」と笑顔だった。そして「サポーターの皆さんも練習を見に来たいと思うし、サポーターと触れ合うのも大切だと思う。僕たちもこうやって後押ししてもらっている。こういう機会を多く作れればいいと思う」と話していた。
今季はオランダ人FWブライアン・リンセンやJ2ロアッソ熊本から移籍加入のFW髙橋利樹と最前線のポジションを争うことが見込まれる。4日にはいわきFCと非公開トレーニングマッチを実施していたが、興梠は「あまり良い攻撃ができなかった。チャンスを多く作ることが大切だと思う。まだボールを失いたくない横パスが多い。オフ期間も身体を動かしてきたのでコンディションは良い。周りとのコンビネーションでもっとクサビのボールも入れてほしいけどコミュニケーションだと思うし、特徴を知ってもらうのも大事。簡単に失うようじゃパスも入れづらいと思うので、ピッチ上で見せていきたい」と表情を引き締めた。
浦和はここ数年で大きくメンバーが入れ替わっている。わずか1年間の期限付き移籍とはいえ「僕が新しく来た選手みたいな感じで頑張っていますよ」と笑う興梠だが、「全部の試合が大事だけど、ここは落とせないという重要な試合がある。そういうところで気を引き締められるようにやりたい」と、経験豊富なベテランとしてチームをまとめる姿勢も示していた。2月18日に激突する開幕戦のFC東京戦は、ハットトリックを達成したこともある相手。浦和に戻ってきたエースはコンディションを上げて復帰初ゴールを狙っていく。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)