“仕掛けの姿勢”が神戸復活の鍵? 新戦力の泉&井出&パトリッキが躍動、チームの序列を覆せるか
大迫、武藤の主力に感じられなかった縦への推進力
この日、光彩を放ったのはプレシーズンマッチの終盤から出場し、その後のトレーニングマッチ(35分×2本)のピッチに立ったMF泉柊椰や井出遥也、FWジェアン・パトリッキといった新戦力だった。
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プレシーズンマッチに先発した選手よりも、彼らはボールを持った際に相手に詰め寄られると、まずは自らの力で突破を図ることを第一に考えたプレーを選択していた。新加入組たちはレギュラーと目されている選手よりも、試合出場のために自らをアピールする必要があり、その思いがチーム戦術よりも個人のプレーを選択させ、それがいい方向に作用したのだ。
右サイドでプレーしたパトリッキなどは、5回のチャレンジで1回でも守備網に風穴を開けられればそれでいいというような多少荒っぽい仕掛けで突破を図っていたが、こうした個人技による攻めの姿勢を強く持った選手は、守る側にしてみれば実に厄介で怖い存在となる。松本戦でプレーした神戸の選手たちのなかでは、自分の力を全面に出して戦った新加入組がインパクトを残したことは間違いない。
特にゴールを決めた泉の敵を背負いながらも配給されたボールを巧みにトラップし、反転してシュートを決めた一連のプレーは素晴らしかった。この泉とパトリッキはレギュラーに抜擢しても活躍を予感させる個としての魅力をサポーターの前で披露したが、果たして18日のリーグ開幕戦ではどんな選手が先発に名を連ねるのか。吉田考行監督の決断が注目される。
徳原隆元
とくはら・たかもと/1970年東京生まれ。22歳の時からブラジルサッカーを取材。現在も日本国内、海外で“サッカーのある場面”を撮影している。好きな選手はミッシェル・プラティニとパウロ・ロベルト・ファルカン。1980年代の単純にサッカーの上手い選手が当たり前のようにピッチで輝けた時代のサッカーが今も好き。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。