J1各チームの今季戦力はアップorダウン? データから導き出す“最新戦力値”【後編】

神戸は上積みが少ないように見えるが、保有している戦力は十分

【神戸】
2022年度守備:8位
加入GK+DF:15試合・620分・0点
移籍GK+DF:62試合・4557分・1点

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2022年度攻撃:12位
加入MF+FW:54試合・2724分・7点(+J2:7試合・400分・0点)
移籍MF+FW:72試合・2700分・3点

 かつての大型補強のイメージから戦力を整える方向に変わっている。移籍して足りなくなった分の戦力を補強したと言えるだろう。上積みはないように見えるが、それでも元々保有する戦力が充実しているので問題はないということだろう。

【広島】
2022年度守備:8位
加入GK+DF:33試合・2782分・0点(+J2:33試合・2891分・0点)
移籍GK+DF:30試合・1826分・1点

2022年度攻撃:3位
加入MF+FW:0試合・0分・0点(+J2:64試合・4890分・12点)
移籍MF+FW:47試合・2987分・1点

 長年にわたってビジョンがハッキリしていないとできない補強で、攻守ともに出入りの人数も少なく大きなマイナスもない。広島の手堅い戦力調整は今年も健在。それでしっかり上位に食い込んでいくところが凄さと言えるだろう。

【福岡】
2022年度守備:3位
加入GK+DF:0試合・0分・0点(+J2:35試合・2536分・2点、+J3:20試合・1800分・0点)
移籍GK+DF:40試合・3066分・0点

2022年度攻撃:18位
加入MF+FW:30試合・1119分・2点(+J2:40試合・2440分・13点)
移籍MF+FW:82試合・4040分・9点

 去年の福岡は守備力が際立っていた一方、攻撃面では苦労した。その攻守で抜かれた戦力をJ2、J3からの補強でまかなおうとしている。数字上では苦しくなると予想されるが、現在のところ獲得した人数が少ないので補強の余力はありそうだ。

【鳥栖】
2022年度守備:13位
加入GK+DF:0試合・0分・0点(+J2:1試合・57分・0点、+J3:34試合・3060分・0点)
移籍GK+DF:34試合・2732分・2点

2022年度攻撃:8位
加入MF+FW:7試合・61分・0点(+J2:85試合・6085分・12点、+J3:29試合・2133分・11点)
移籍MF+FW:98試合・5580分・15点

 今年も大幅に選手が入れ代わった。攻撃面は数字上で見ると大きなマイナスになりそうだし、去年は守備面での不安もあった。だがこれまで何度も大量入れ替えを行い、それでもチームを整えてきた鳥栖の伝統は侮れそうにない。

 ということでJ1を見渡すと、数字上はいい選手補強ができたと言えるのは、鹿島、柏、C大阪、広島ということになりそうだ。はたして今回の数値が2023年の成績とどこまで相関関係を持つのか、いずれはその分析も行ってみるが、今は開幕前のワクワク・ハラハラを楽しんでいただければと思う。

(森雅史 / Masafumi Mori)



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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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