浦和の新戦術、昨季との違いは? 「攻め方はリカルドと違う規律がある」…選手が明かした“スコルジャ流”

浦和を今季より率いるマチェイ・スコルジャ監督【写真:轡田哲朗】
浦和を今季より率いるマチェイ・スコルジャ監督【写真:轡田哲朗】

昨季の主力MF小泉佳穂、MF岩尾憲が攻撃面での進歩に手応え

 J1浦和レッズは沖縄県トレーニングキャンプの最終日となった1月29日にサガン鳥栖とのトレーニングマッチを実施。45分3本のトータル3-4の結果になったが、MF小泉佳穂やMF岩尾憲は攻撃面での昨季からの進歩に手応えを話している。

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 浦和は昨季まで2シーズン率いたリカルド・ロドリゲス監督が退任し、マチェイ・スコルジャ監督が就任した。岩尾は徳島ヴォルティス時代に4シーズンにわたってロドリゲス監督の指導を受け、昨季は期限付き移籍によって浦和でプレーしていたが、今季は完全移籍となっている。より強度を上げつつ、全体のプレーエリアを高い位置にしようとするスコルジャ監督のサッカーでも岩尾はボランチの位置で存在感を見せている。

 このゲームでは1本目と2本目に日本代表DF酒井宏樹の3アシストで、FWブライアン・リンセンが2ゴール、FW興梠慎三が1ゴールを挙げた。3本目に3失点してトータルは逆転されたが、チームの全体的な共通認識は進んでいるようだ。

 岩尾はロドリゲス監督の率いたチームとの共通点として「ビルドアップを放棄せずゴール前へ進める姿勢は変わらない。多少、配置と動くタイミングに異なることもあるけど、大枠では大きな変化はないと思う」と話す。一方で、敵陣に入ってからのオートマチズムは昨季までの浦和には明らかにない連動性が生まれつつある。その変化を岩尾もプレーしながら感じ取っているようだ。

「アタッキングサードで自分たちが押し込んだあとの攻め方はリカルドの時と違う規律がある。個人のアイデアも大切にされるけど、ベースとしてはチームとしての動かし方、スペースの使い方がある。その提示もはっきりしている。どこにボールを持っていきたいのかチームとして共通認識があり、逆算したポジションを取れる。それを何のためにやるかと言えば、ゴールを取るため。そこで前のめりになりすぎてゴールに急ぐ場面もあるけど、ゴールから逆算してプレーを選択できることがオートマチズムにつながっていると思う」

 セカンドトップの位置を取ることの多い小泉は「全体として裏を取る意識が強くて、ただそれは一発でポンと出すわけではなく、裏への動き出しでボールを引き出して起点になるということがチーム全体として多い。そうなると足もとで受けるスペースができることも増える良い流れになっていくので、そうなってくると自然と自分も裏を狙える回数が増える」と話す。実際に1本目の最中には小泉が背後に抜け出した決定機がファウルで止められ、公式戦なら確実にレッドカードが出るところをトレーニングマッチということもあり、カードなしで11対11でのプレーを継続するような場面もあった。

 両者ともロドリゲス監督のサッカーでは大きな存在感を放っていたが、今季にスコルジャ監督へと交代となったチームの中でも、大きな流れとしての継続性と変化の加わった攻撃によって輝きを放つ場面を増やしていきそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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