浦和ポーランド人新監督、日本の規律に感銘 選手の行動ぶり「最高のものだと感じる」
マチェイ・スコルジャ監督、日本での初指導への印象を語る
J1浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督が、沖縄県でトレーニングキャンプを実施中の1月28日に報道陣の取材に応じた。日本での指導が初となる指揮官だが「きっちり仕事をするという雰囲気が日本にはある。細かいところまで日本人は準備をしている」と、その印象を話した。
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スコルジャ監督はポーランドでは名将として知られ、ヴィスワ・クラクフとレフ・ポズナンで2回ずつリーグ優勝を経験している。その中でも、レフ・ポズナンでの2回目は2021-22シーズンに達成したものであり、現在進行形でタイトル獲得の実績を残す。熟考の末に日本行きを決断する指揮官は「日本の文化や組織も向こうでたくさん聞いた」と話している。
その予備知識を培って来日し、1月6日の就任会見時点では「大きなミステリーのようにチームを捉えていた」と笑うが、ほぼ1か月が過ぎてキャンプでの共同生活も送り「実際にやってみれば本当にトップレベルで最高のものだと感じる」と、日本の組織性を感じるという。
その1つの象徴が「15分前集合ルール」を巡る顛末かもしれない。スコルジャ監督はこのキャンプのスタート時に、「トレーニング開始の15分前にはグラウンドに来ているように」という指示をチームに与えていた。しかし、スタッフなどによるとその指令を受けた選手たちの多くは30分前にはピッチに集合するようなことになり、指揮官は指示を撤回するのに至った。スコルジャ監督は、それが日本人の特徴を感じた瞬間だったかという問いかけに「そのとおりです、規律を守るというのが分かりましたからね」と話した。
ポーランドから3人のコーチを連れてきているスコルジャ監督だが、浦和に元から在籍する日本人コーチともミックスした指導体制を組み「日本人コーチも非常にプロフェッショナルで、素晴らしくハートフルで良い仕事をしている」とコメント。「全体的には印象どおりだった。きっちり仕事をするという雰囲気が日本にはある。細かいところまで日本人は準備をしている。ただし、そういう日本でも創造力、クリエイティブなものを使う余地を選手には残したい。個人を見せるものもサッカーには必要だと思う。そのバランスを私はうまく見つけたい」と、その空気感に触れながら日本での指導をスタートさせている。
選手たちをよく観察しながらキャンプを過ごしたスコルジャ監督は、キャプテンの任命について「練習や練習試合によってプレーだけでなく性格も分かってきた。個人面談も行っているが、まだ9人残っている。埼玉でも続けたい。そしてキャプテンは開幕前の良いタイミングで選びたい。それまでは自分に時間を与えている」と話す。
「私は常に優勝というものを目標に持って仕事している。ポーランドでは4回優勝できたが、5回目の優勝は日本で達成したい」と話す指揮官は、少なくとも導入段階での仕事のしやすさを感じているようだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)