ソシエダ久保建英は「ギリギリの状態」…現地記者の懸念とは? 「あれ以上を求めてはダメ」と指摘する訳

久保建英が少年時代を過ごした古巣FCバルセロナの本拠地カンプ・ノウ【写真:高橋智行】
久保建英が少年時代を過ごした古巣FCバルセロナの本拠地カンプ・ノウ【写真:高橋智行】

スペイン各紙が久保のパフォーマンスを高評価「最も脅威となった」「ペドリでさえも…」

 数的不利の厳しい状況を改善すべく、イマノル・アルグアシル監督は後半開始時に2人入れ替え5バックを敷き、前半以上に守備的スタイルを選択。久保のポジションは左サイドに変更された。しかし後半7分、右サイドでDFライン裏に上手く抜け出した絶好調のデンベレがペナルティーエリアに進入し、GKアレックス・レミーロの手を弾く強烈なシュートで先制点を記録した。

 数的不利のなか、久保は後半14分に切れ味鋭いドリブルでペドリのイエローカードを誘発。そして同15分には、左サイドから正確なグラウンダーのクロスで、この日最大の決定機を演出するも、ゴール前で合わせたアレクサンデル・セルロートのシュートは大きく枠上を越えてしまい得点とはならなかった。

 久保はチーム中で、この日一番チャンスを作り、強い存在感を放ったものの、チーム力の差および数的不利の劣勢な状況を変えることはできず、後半33分にピッチを去った。

 試合は、退場者を出しながらも組織的な守備で追加点を与えないソシエダが終盤、同点の決定機を得るも最後までゴールを奪えず、0-1で準々決勝敗退となった。またこの敗戦によりクラブ公式戦連勝記録が9でストップした。

 スペイン各紙は、アスレティックとのバスクダービーで2ゴールに絡む素晴らしいパフォーマンスを見せた時と同様に、この日の久保を軒並み高評価した。

 クラブの地元紙「エル・ディアリオ・バスコ」は、「ラ・レアルの攻撃で最も脅威となった選手。左足の強烈なシュートはテア・シュテーゲンを抜くもクロスバーを叩き、ゴール前にいたセルロートへのパスで後半のベストプレーを生み出した。さらに久保のドリブルは、それを止めるためにペドリでさえもカードをもらう必要があるほど危険な状況を作り出していた」と称賛し、4点(最高5点)をつけた。また、スペイン紙「マルカ」や同紙「AS」の久保評価も2点(最高3点)と高かった。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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