「必ず大成する」と現地記者ら絶賛 ブライトン三笘薫、スーパーゴールを生んだ“距離と力”
「前までは力が入っていたんですけど、今回は逆にリラックスできた」
三笘がレスター戦で見せたスーパーミドル弾は、1人で創造したと言っても過言ではないだろう。前半27分に左サイドで味方DFのペルビス・エストゥピニャンからボールを受けると、ベルギー代表DFティモシー・カスターニュ相手にカットインを仕掛け、ペナルティーエリア(PA)手前左から右足を一閃。鮮やかな軌道のボールは、ゴール右上隅に吸い込まれた。
左サイドで受けたらカットインしてシュートを打つ。これは現地時間1月14日の前節リバプール戦(3-0)後に「精度を上げていきたい」と話していたプレーだ。そこで、課題をわずか1週間で形にしたことについて話を振ってみた。
「結構深さ(ゴールまでの距離)を取っていたので、余裕がありましたね。力が抜けたというか、逆に深くなりすぎた分、リラックスできました。横に運ぶ(中央にカットインする)時、前までは力が入っていたんですけど、今回は逆にリラックスできたという感じです」
なるほど、シュートを打つには少し距離があるようには思えたが、逆に自然体でボールを蹴るにはちょうど良い状況だったということか。とはいえ、対角線上の隅に強いボールをコントロールしてネットに突き刺させる能力がある選手はそう多くない。近年のプレミアでこうした形のゴールを頻繁に見せていた選手は、元イングランド代表FWのウェイン・ルーニー氏やリバプール時代の元ブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョ(アストン・ビラ)が思い浮ぶ。
森 昌利
もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。