名門マンUが「V字回復」 悪夢の連敗スタート→3位上昇…テン・ハフ体制“劇変”へ導いた3つのポイント

テン・ハフ監督の戦術浸透が結果に直結【写真:ロイター】
テン・ハフ監督の戦術浸透が結果に直結【写真:ロイター】

指揮官の英断によってチームの方向性は定まり、戦術が浸透

 さらにオランダ人指揮官はキャプテンのマグワイアも容赦なくスタメンから外し、愛弟子のマルティネスを起用した。ほかにもFWアントニー・マルシャルの抜擢やDFルーク・ショーのセンターバック(CB)起用など自身のカラーをチームに反映させた。こうした英断によってチームの方向性は定まり、時間の経過とともに戦術が浸透することで結果も付いてくるようになった。

 2つ目はカゼミーロとエリクセンの加入だ。これで中盤の機能性は改善され、とりわけ後方からのビルドアップに関しては大きくスケールアップした印象だ。エリクセンはボールの受け手としても出し手としても優秀で、このデンマーク代表MFがいることで最終ラインから中盤へ運んだ時に起きていた球づまりは解消され、攻撃に幅が生まれている。

 カゼミーロは前所属のスペイン1部レアル・マドリードではMFルカ・モドリッチやMFトニ・クロースの陰に隠れていたが、ビルドアップの技術は一級品。守備時やボールを引き出す際のポジショニングの良さも際立っている。新加入組の中でもこの2人の影響力の大きさを特筆しておきたい。

 そして3つ目はFWマーカス・ラッシュフォードの覚醒だ。背番号10を背負う実力は誰もが認めるところだが、怪我もあってコンスタントに結果を残すことができずに伸び悩んでいた。

 そんな25歳が今季は公式戦27試合で16得点と目覚ましい活躍を披露している。先日のマンチェスター・ダービーでは本拠地での公式戦9試合連続得点を達成し、64年前のクラブ記録に肩を並べた。先のカタールW杯でも3得点を挙げており、C・ロナウドの幻影を吹き払う真のエースとしての期待が膨らんでいる。

 そのほかにも新星FWアレハンドロ・ガルナチョの台頭やコンディション不良で離脱していたMFジェイドン・サンチョの復帰が近づくなどポジティブな話題が続いている。そうしたなかで現地時間22日には首位アーセナルとのビッグマッチを迎える。テン・ハフ・ユナイテッドの真価を問われる一戦となりそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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