浦和復帰のFW興梠、”新始動チーム”で早速ゴール ベテランストライカーが気概「頼れるような存在になっていきたい」
沖縄SVとの今季初の対外試合で1ゴールを記録
J1浦和レッズのFW興梠慎三は、今季初の対外試合となる1月15日の沖縄SV戦で早速の1ゴール。浦和への復帰初戦を良い形で飾った。
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興梠は2013年に鹿島アントラーズから浦和に移籍加入。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の指揮下では不動の1トップ、エースとしてゴールを量産した。その後に監督交代が繰り返されたチームのなかでも得点を重ねて、浦和のクラブ史上最多得点者にもなった。しかし、2020年のリーグ最終節で負傷した影響からリカルド・ロドリゲス監督が就任した初年度に出遅れて出場機会を減少させ、昨季はペトロヴィッチ監督が率いる北海道コンサドーレ札幌へ期限付き移籍していた。
その移籍期間を終えて浦和に復帰した興梠は、背番号も以前と同じ「30」番になった。すると、このゲームでは出場してすぐにクロスボールをボレーシュートで叩いてゴール。チームも5-1で勝利したが、ストライカーとしてはゴールでスタートするという上々の滑り出しになった。
その興梠は「まあ、1年しか離れていなかったので大したことはないですけどね。懐かしいメンバーでと言いたいですけど、新しいメンバーになってよそのチームにきたみたいになってますから」と笑った。21年にはペトロヴィッチ監督時代に長くチームメートだったMF柏木陽介やFW武藤雄樹がシーズン中に移籍すると、シーズン終了時にMF阿部勇樹が引退し、DF槙野智章とDF宇賀神友弥もチームを去った。浦和にとって入れ替わりの激しい過渡期だったこともあり、これからコンビネーションなどを確立していかなければいけない間柄も多い。
それは、プレーの部分でも現れた。最前線に入る興梠は、少々の難しいボールでも懐に収めてしまう技術を持つ。それは浦和で長くプレーした選手や、それこそファン・サポーターもよく知ることだが、現在の選手たちは実際にそれを同じチームで体験していない。そのため「ボールを触る機会があまりなかったので、もう少し真ん中に入れてきてほしいなということはありました。受け手がある程度キープできれば、もっと入れてきてくれると思うので、そういう安心感、頼れるような存在になっていきたい。そこは信頼感がまだ築けていないと思うので、頑張っていきたい」と話した。
一方で、やはり旧知のチームメートは興梠の復帰を歓迎している。昨季に主将を務めたGK西川周作はチームが一気に若返る中での難しさを感じた1人であり「大きいですね。僕はGKというポジションで練習も別の時間が多かったので、経験がある慎三が帰ってきてくれたのは心強くて、彼はみんなへの思いやりがありますし、若手に対しての助言などもやってくれると思うので、役割は分担してできるんじゃないかな」と、期待感を話していた。
現在はマチェイ・スコルジャ監督が就任して間もないこともあり、プレッシングの部分を強調したトレーニングが多く、この日の実戦でも攻撃は即興の割合が大きかった。コンディション向上に主眼を置いていると話す興梠だが「これから攻撃のところも出てくると思うので、そこを選手同士で意思統一をして頑張っていきたい」と、シーズンを見据えていた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)