韓国英雄、新旧Jリーグ外国人監督が語る日本サッカー強化論 指導者やJリーグに「足りない部分」とは?
ホン・ミョンボ監督、ミヒャエル・スキッベ監督、アンジェ・ポステコグルー監督が持論
日本サッカー協会(JFA)が主催した指導者向けの研修会「第13回フットボールカンファレンス」2日目が1月15日に行われ、韓国のレジェンドやJリーグで指揮した監督らが登場し、日本サッカー強化について持論を展開した。
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カンファレンスでは、カタール・ワールドカップ(W杯)の振り返りや世界の最新トレンドなどについて話し合われたなか、日本サッカー強化も議題に挙がった。日本に馴染みのある現役監督たちが映像で登場し、それぞれ持論を展開している。
かつてベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)や柏レイソルでプレーし、引退後は韓国代表や杭州緑城で指揮を執り、現在は韓国1部の蔚山現代で監督を務める同国の英雄ホン・ミョンボ氏は、「もっと欧州に出て行って学び、経験して、それを可能にするくらい代表チームが強くなることが必要だと思います。韓国の方は地理的にも近いですし、お互いに切磋琢磨してレベルを上げながら、いい選手を育てていければと思っています」と語った。
またドイツ1部ボルシア・ドルトムントやトルコ1部ガラタサライ、ギリシャ代表などを指揮し、現在はJ1サンフレッチェ広島を率いるドイツ人のミヒャエル・スキッベ監督は、「日本は正しい方向に進んでいる。多くの才能ある選手たちがヨーロッパに渡り、プロフェッショナルレベルでさらに成長している。足りない部分は、指導者が欧州で経験を積むこと。研修で学ぶだけでなく、実際にピッチでも学ぶことが必要だ。しかし、日本国内の育成は素晴らしいし、JFA、Jリーグ各クラブのマネジメントはプロフェッショナルだ。全体的には前進しているし、日本のサッカーの将来は明るいと思う」とコメントしている。
3人目で、現在スコットランド1部セルティックを率いるアンジェ・ポステコグルー監督が登場。オーストラリア代表や横浜F・マリノスで指揮した経験を持つなか、Jリーグのさらなる成長を求めた。
「次の段階に行くには、Jリーグがもう少しワールドスタンダードに追い付いていかないといけません。国内リーグが強くなれば、その国のフットボールは強くなります。Jリーグはアジアで最もレベルの高いリーグだと思いますが、それで満足しないということが大切です。大会方法、各クラブの施設やインフラ、選手育成、評価方法など、常に世界レベルのリーグを見ながら、そこで行われていることを取り入れていく必要があります。ワールドトップクラスのプレーヤーに必要なフィジカル、テクニック、インテンシティーや試合のテンポが何なのかを学び、選手を育てていくことが大事です」
ポステコグルー監督は「日本のレベルは上がっており、トップレベルに近くなっています」と評価しつつ、「大切なのは歩みを止めないこと。日本や日本のサッカーに関わっている方々は、すでに現実的な長期プランを立てているとは思いますが、世界の実例を見て常にアジャストしていくことが求められます。そうすれば、日本のサッカーは次の段階に行けると思います」と締めくくっていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)