浦和MF小泉佳穂、母校・前橋育英のゲーム観戦で「プロの中でもトップクラス」と感じた要素は?
浦和はスコルジャ新監督を迎えてプレスの位置を上げることを視野
浦和レッズは現在、沖縄県でトレーニングキャンプを実施している。MF小泉佳穂は始動前の今月上旬に第101回全国高校サッカー選手権で母国の前橋育英の試合を観戦し、「プロの中でもトップクラス」と感じた要素があったと話した。
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小泉は前橋育英高から青山学院大に進学し、FC琉球を経て2021年に浦和へと加入して3シーズン目になる。そのオフはカタール・ワールドカップ(W杯)の開催もあって変則的な部分もあったが、「いいリフレッシュができた」と話す過ごし方の1つに母校の試合観戦があったようだ。1月2日の3回戦での昌平戦、4日の準々決勝は大津戦と、いずれも浦和のホームゲームも行う浦和駒場スタジアムでの開催だっただけに、母校の応援に駆け付けていた。それだけでなく小泉は、夏のインターハイ王者として優勝候補として臨んだ母校の戦いから感銘を受けたという。
「かなりいい刺激を受けましたね。攻守の切り替えだと、昌平戦なんかはプロの中でもトランジション(攻守の切り替え)で言ったらトップを張れるようなスピードだった。あれだけハードワークしてチームとしてコレクティブに戦えないと、Jリーグでも厳しいだろうなと。そういう意味では改めていい刺激というか、年齢やカテゴリーが全然違っても、そこに関してはどこも共通だと思います」
昨季までリカルド・ロドリゲス監督が率いたチームで小泉はセカンドトップに近い位置からボールを引き出すプレーや、前線の効率的なプレスに参加する場面が目立った。今季からマチェイ・スコルジャ新監督が率いるなかでは、よりプレスの位置を高くしようとする意図は見え、そうした部分的なトレーニングメニューも行われているが、攻守のつなぎ目を含めた全体像はまだ見えてきていない。システムに人を当てはめたメニューではロドリゲス監督の時期と同じようなポジションに入っていた小泉は、新シーズンに向けて求められることも察しながらトレーニングを積んでいる。
「プレッシングとボールを奪われたあとの切り替えは強調されていると感じます。そこに特化した練習だけしているわけではないですけどね。面白いなと思ったのは、チームの基本として細かくやってくれているなかでも、あくまでもこれは形であって実際の試合では色々なことが起こるので臨機応変にピッチの中で解決するのが大切だと。決まりごとやチームとしてのやり方を強く提示されている一方で、そこも忘れないところがあるのは印象的です。攻撃だと裏への飛び出しや点を取るところも求められそうな気がしていますね」
今回の高校選手権は全体的に奪ったボールを素早く攻撃につなげる意図を持つチームが目立ったが、それはカタールW杯を見ても世界的な流れの1つでもあり、スコルジャ監督が強調する要素も近い。浦和で3年目を迎える小泉にとって、その方向性とシンクロするような母校の試合から受けた感銘はシーズンの入りに良いインスピレーションを与えたようだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)