敵地で貫いた変幻自在の“ハリル流” ボール支配率35%での堅守速攻に長谷部「プラン通り」

スタメンの人選にも見えたゲームプラン

 一方で、ハリル監督は相手の良さを消すことを試合前の記者会見やメンバー発表会見でも強調する。今回のオーストラリア戦に向けても敵地での一戦ということもあり、「パワーとオーガナイズと規律がある」相手が主導権を握ることを前提にプランを立てており、スタメンの顔ぶれを見てもポゼッションで勝負する意図は感じられなかった。長谷部とダブルボランチを組んだのはボール奪取力の高いMF山口蛍(C大阪)であり、ビルドアップの役割を期待するMF柏木陽介(浦和)ではなかった。DF長友佑都(インテル)が離脱した左サイドバックも、クロスの精度など攻撃力の高い太田宏介(フィテッセ)ではなく、センターバックでも起用するDF槙野智章(浦和)だった。

 ハリル監督は、その試合ごとに戦術を変えていく多様性を求めている。この日のオーストラリア戦で採用した戦術のなかで、トップ下を務めたMF香川真司(ドルトムント)のように、守備に追われて窮屈なプレーに終始してしまった選手が出たことは大きな課題として残るが、キャプテンを任せられた長谷部は「成長過程にある」と“ハリル流”の習得に前向きな言葉を残していた。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

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