浦和アタッカー陣の「実質的な目玉補強」 昨季デビュー後“即”離脱の助っ人が描く青写真
オランダ人FWリンセン、昨季の悔しさを経て新シーズンへ意気込み
J1浦和レッズは新シーズンに向けて沖縄県でトレーニングキャンプをスタートしている。昨夏に加入もすぐに負傷離脱となり、今季の本領発揮が期待されるオランダ人FWブライアン・リンセンは「すごくいい形で入れる」と笑顔を見せた。
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リンセンはオランダの名門フェイエノールトから昨夏に浦和へと加入した。オランダ1部で通算324試合106得点の実績からも大きな期待が懸かり、西野努テクニカル・ダイレクター(TD)は「ラストピース」ともコメント。背番号「9」を託され、昨季の後半戦でのゴールラッシュが期待された。
しかし、試運転の機会になった昨年7月末のフランス1部パリ・サンジェルマンとの国際親善試合でハーフタイム明けにデビューすると、わずか8分でヒールキックを試みた際に右足ハムストリングを負傷。これが長期離脱となり、デビューは10月1日のサンフレッチェ広島戦までずれ込んだ。その後は2試合に出場したものの、カタール・ワールドカップ(W杯)の実施もあり11月5日にリーグ最終節が行われる日程とあって、出場時間は3試合合計で159分。十分なコンディションでの能力も分からないままシーズンが終わった。
浦和は今季に向け、デンマーク人FWキャスパー・ユンカーが名古屋グランパスへ期限付き移籍。FW江坂任は蔚山現代(韓国)へと完全移籍した。ベテランFW興梠慎三が北海道コンサドーレ札幌への期限付き移籍から復帰し、J2ロアッソ熊本からはFW髙橋利樹を獲得しているが、実質的な目玉補強はフル稼働のできるリンセンという言い方すらできるかもしれない。
マチェイ・スコルジャ新監督とは起用法やポジションについてまだ話していないというリンセンだが、「すごくいい形で入れる。このキャンプで100%の状態にしたい。去年は外から見ることになったが、違う視点から見ればこのクラブには素晴らしいファンがいる。それがもっと増えるようにしたい。自分のベストを尽くし、チームが向上するためにできることをしていきたい」とシーズンを見据えた。
170センチという身長ながら、フィジカルやヘディングでの競り合いへの強さも昨季に片鱗を見せた。得点力はオランダで証明済みだが、それをJリーグでも再現できるかどうかが浦和にとっても大きなカギを握ることになりそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)