アトレティコFWジョアン・フェリックス、チェルシーへの期限付き移籍が決定 シメオネ“退任の前兆”と英メディア危惧
半年間の期限付き移籍で同意
イングランド1部・プレミアリーグ強豪チェルシーは、スペイン1部アトレティコ・マドリードからポルトガル代表FWジョアン・フェリックスを半年間の期限付き移籍で獲得したことを発表した。その契約条件から、英衛星放送局「スカイ・スポーツ」では、今季限りでアトレティコのディエゴ・シメオネ監督が退任する前兆ではないかと報じている。
チェルシーはマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルを交えた争奪戦に勝利してフェリックスと半年間の契約を結んだ形だが、その理由は1100万ユーロ(約15億4000万円)のレンタル料の支払いに同意したのがチェルシーのみだったとしている。さらに、チェルシーは週給で25万ポンド(約4000万円)を超えるフェリックスの給与も相当額を負担しなければならないとされた。
一方で、アトレティコとフェリックスは2027年までの契約延長にも同意し、さらにチェルシーとの契約には買い取りオプションが付帯していないという。アトレティコはポルトガルの名門ベンフィカに、2019年の夏に移籍金1億2700万ユーロ(約181億円)を支払っている。それだけに、おいそれと放出できる選手ではないが、レポートではスペインサッカーに精通するフェルナンド・カジャス記者の談話として「フェリックスとシメオネ監督の関係は完全に破綻している」という状況を前提に複雑なものがあるとされた。
「フェリックスはシメオネの下でプレーする気がなく、契約延長をした。つまり、シーズン後にシメオネが去るかどうかがスペインで誰もが聞きたい質問だ。シメオネとクラブ首脳陣の関係も複雑なものがある。彼の軍隊式のチーム作りは、若手やこれからの選手には良いが、スーパースターを抱えるのには向かない。この高額なレンタル料と買い取りオプションなしの契約は、アトレティコにシーズン後に何かが起こるか大いに疑問を持たせる」
チェルシーは現在プレミアリーグで低迷しているだけに、モチベーションを取り戻すだろう若きアタッカーの獲得は望み通りの補強だろう。給与も合わせれば6カ月間で日本円20億円を超えていくような契約だが、それだけ緊急性が高いということも言えそうだ。そして、関係が破綻しているシメオネ監督と、あまりにも高額すぎるフェリックスの間でアトレティコは難しい判断を迫られることになりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)