選手権決勝で東山（京都）に3-1で勝利、岡山県勢の初優勝を飾る

　第101回全国高校サッカー選手権は1月9日に国立競技場で決勝戦が行われ、岡山学芸館（岡山）が東山（京都）に3-1で勝利し、岡山県勢の初優勝を飾った。高原良明監督は「岡山から日本一が取れるという夢を与えられていれば最高」と話した。

　ボールを保持して押し込んで来ようとする東山に対し、岡山学芸館の前半は少しシンプルなロングボールが多くなった。高原監督も「単調なボールが多く保持された」と話したが、FW今井拓人がサイドに開きながら献身的にボールを収めようとする姿勢が生きて、前半25分に今井が蹴り込んだゴール前を横切るボールからオウンゴールが生まれて先制点になった。ハーフタイム直前に追い付かれたものの、その15分間での「もう少しサイドから仕掛けよう」という指示が生きた。

　後半7分、左サイドでポイントを作るとオーバーラップしたDF中尾誉がクロスを上げ、MF木村匡吾がヘディングで合わせて勝ち越しゴールを奪った。さらに同40分にロングスローのこぼれ球を木村が押し込んで3-1とした。2得点の木村は「これまでの試合であまり高い位置まで行けていなかった。今日はそこまで行けて良かった」と笑顔。高原監督も「初戦から点が取れず悔しさを見せていた。土壇場で力を出してくれてチームを救ってくれた。オーバーラップからのクロスに中で合わせてくれたのはうちの持ち味」と中盤のキーマンを称え、大舞台で良さを生かすゴールが勝利に導いていた。

　これで岡山県勢としては、作陽の準優勝を超えて最高成績となる頂点に手が届いた。高原監督は「選手たちにはよく頑張ってここまで辿り着いたという感謝の気持ちを伝えたい。岡山県初の日本一ということで、地元で今日サッカーを見てくださっている方に何か感動など感じてもらえれば幸せ。少年団などでやっている選手にも、岡山から日本一が取れるという夢を与えられていれば最高だと思う」と、その思いを語った。

　そして、高原監督は「それぞれ本当に色々なチームに優秀な選手がいるが、うちには代表を経験した選手もいない。中学では自分のチームで2番手、3番手だった選手も多いけど、個人ではなくチームスポーツ。力を合わせればどんな強敵も倒せると証明してくれた」と、力を合わせた選手たちを称えた。試合後に感極まった姿は「感動と感激のうれし涙だった」と、その思いを話していた。