1G1A大迫塁、神村学園の敗退に失意 直接フリーキック弾は「決められる気しかしなかった」

神村学園MF大迫塁【写真:徳原隆元】
神村学園MF大迫塁【写真:徳原隆元】

岡山学芸館(岡山)で1ゴール1アシストと躍動も、PK戦で力尽きる

 第101回全国高校サッカー選手権は1月7日に国立競技場で準決勝が行われ、第1試合で神村学園(鹿児島)は岡山学芸館(岡山)に3-3からのPK戦で敗れた。卒業後のセレッソ大阪入りが内定しているMF大迫塁は1ゴール1アシストを記録するも及ばず。来月開幕するJ1リーグに「そこに入っていく気持ちしかない」と話した。

 チームキャプテンの大迫は中盤の中央から最終ラインの組み立てにも参加しながら、ピッチ上に影響力を発揮していた。距離のあるフィードでも正確に通し、岡山学芸館のプレッシングから最終ラインを助けた。そして1-1の同点で迎えた後半14分、神村学園は中央やや右サイドの20メートル付近でフリーキックを獲得。これを「決められる気しかしなかった」という大迫が得意の左足で狙うと、壁に当たってコースが変わったボールはそのままゴールに吸い込まれて勝ち越しゴールになった。

 再び追い付かれて迎えた後半24分、右コーナーキックを大迫が蹴り込むとDF中江小次郎が頭で合わせて勝ち越しゴール。しかし、再び失点し試合はPK戦に。大迫は後攻の神村学園で1人目に登場して決め、キャプテンマークをGK広川豪琉に託した。チームの伝統となっているGKへの鼓舞だったが、PK戦での敗退になった。

 体調不良によりこの準決勝から現場で指揮を執った有村圭一郎監督は、大迫と卒業後にドイツ1部ブンデスリーガのボルシアMG入りが内定しているFW福田師王について「注目される中で1年生、2年生と戦って、3年生ではチームを勝たせる、まとめることで自分のプレーができなくなった時期もあった。今大会は彼らの力が発揮されて勝ち上がってきた」と話し、高円宮杯プレミアリーグへの昇格も成し遂げた世代だけに「プレミアへの昇格、この国立にも連れてきてもらったという気持ち。感謝しかない」と話した。

 中高一貫校の6年間を神村学園で過ごした大迫もまた感謝の気持ちを話し「6年間、本当に楽しかった」と振り返る。今大会について「1試合、1試合、強くなっている実感もあった」と話すだけに、決勝進出を逃した悔しさはそこにある。一方で、「もう1か月くらいでJリーグも始まるので」と、目線はプロのキャリアが始まるこれからに向いている。そして「セレッソと言えば大迫塁と言われるような選手になっていきたい。(Jリーグ開幕に)そこに入っていくという気持ちしかない」と力強く語った。

 福田との2枚看板で注目されるなか、「思い出は数えきれない」とも話す。息のあったプレーを見せ続けた2人は、ドイツと日本でプロのキャリアを成功させて五輪やA代表で再びコンビを組む日を夢見ていく。

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