Jリーグ注目の「古巣」復帰組 柿谷、昌子、宮代…23年シーズンの飛躍期す“出戻り移籍”プレーヤー8選

左利きの頼れるファイター、古巣の松本帰還で躍動なるか

■ク・ソンユン(GK/J1北海道コンサドーレ札幌←金泉尚武)

 母国で兵役義務を果たすため2020年のシーズン途中、コロナ禍で日本を離れた。つまり2年半ぶりのJリーグとなる。昨年10月の時点で札幌復帰が発表されていたが、すでに登録期間を過ぎていた事情で、新シーズンが事実上の帰還となる。195センチのサイズと長いリーチ、卓越した身体能力を生かすセービングやハイボールの処理は圧巻。およそ5シーズンに渡り正GKを担った実績はあるが、改めてベテランGK菅野孝憲らとの競争に打ち勝って、再び札幌のゴールマウスを守ることになるか。まだ28歳。2019年までは韓国代表にも選ばれており、チームを躍進に導ければ代表復帰の道も開けてくるはずだ。

■喜山康平(J3松本山雅FC←J2ファジアーノ岡山)

 J3で2年目となる松本に頼れる左利きのファイターが帰ってきた。反町康治体制の1年目だった2012年から5シーズン松本に在籍し、初めてのJ1昇格を中盤から支えた喜山は“ヴェルディ育ち”ならではのテクニックとバイタリティーを兼ね備え、人一倍のハードワークで中盤にエネルギーを注入する。松本と岡山の両チームで一緒だったMFパウリーニョとのコンビも楽しみだが、何より松本に足りなかったスピリットをもたらす存在として、期待が懸かる。MFとしてのイメージが定着しているが、必要ならセンターバックからウイングバックまでこなすスーパーマルチでもある。霜田正浩監督の下で、どのような働きを見せるのか。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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