「走りまくりたい」 浦和復帰の興梠慎三、新体制で求められる“攻撃力以外”の役割に意欲
スコルジャ新監督は「ハイプレスの増加」を改革案の1つに挙げる
浦和レッズは1月6日に新体制発表会見を行った。加入選手の中では、北海道コンサドーレ札幌への期限付き移籍から復帰のFW興梠慎三と、ロアッソ熊本から完全移籍加入のFW髙橋利樹がアタッカーとして名を連ねた。西野努テクニカル・ダイレクター(TD)からも、浦和がFWに求める要素が明らかにされている。
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浦和は昨季までの2シーズンでリカルド・ロドリゲス監督が率いたが、退任が決まりマチェイ・スコルジャ新監督が就任した。そのチームからはデンマーク人FWキャスパー・ユンカー(→名古屋グランパス)とFW江坂任(→蔚山現代)が退団。FW杉本健勇もジュビロ磐田への期限付き移籍から完全移籍に切り替わった。
昨夏加入も負傷でほぼシーズンを棒に振ったオランダ人FWブライアン・リンセンと合わせた3人がメインになる構成だが、リンセンもまた運動量が豊富なタイプ。西野TDは髙橋を紹介する際に「浦和レッズのトップの求めるのは攻撃力だけでなく守備力、労を惜しまず追いまくること」と言及。スコルジャ新監督も「私が浦和を変えたいと思っているポイントに、ハイプレスを増やしたい」と話すなど、そうした献身的な姿勢が強化を担うフットボール本部と共有されているようだ。
髙橋は「初日の練習を終え、いろいろな選手と話す機会があった。1日でも早くチームに慣れて、前線からの守備や得点で貢献したい」と話したうえで、埼玉栄高校の出身ということもあり、「学生の頃から、地元の浦和レッズは常に優勝争いをしているクラブ。埼玉スタジアムで試合を見た機会も多い。常に優勝争いをしているクラブに自分が加われるのは光栄だし、自分にも優勝争い、優勝しなければいけないという責任も感じる。その責任をゴールという形で貢献できればいいと思う」と語った。
一方の興梠は「まさか37歳になって新加入会見に出ると思っていなかった」と笑顔を見せつつ、「今年37歳になるけど、過去に阿部(勇気)さんや平さん(ユースチームの平川忠亮コーチ)が、チームに与えた存在感を身近に感じて接していた。偉大な選手たちと同じような立ち振る舞いができれば。チームのために全力でのサポートをして、試合に出たらゴールで結果を出せるように頑張りたい。怪我なく1年を終え、全部のタイトルを取れるように頑張りたい」と意気込む。
興梠はそのうえで、「走りまくりたいと思う」と、新監督やクラブが求めるものへ順応する意気込みも示した。
スコルジャ新監督はより攻守の切り替えから素早くゴールに迫るサッカーを求めることを示唆しているだけに、前線からの献身的なプレーがチームのポイントになるのは間違いなさそうだ。得点力だけでなく、走れる選手を前線に据えることでチームを変革する狙いが見えている。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)