176センチの守護神が守り抜いた80分間 PK戦でも窮地を救った東山GKへ仲間が口にする感謝の言葉「今日は何といっても…」
昨夏のインターハイではPK戦で矢板中央に惜敗
東山は昨夏の全国高校総体(インターハイ)3回戦で矢板中央(栃木)と対戦し、1-1からのPK戦を4-5で落としていた。福重監督は「あの負けは忘れ、PK戦は選手に任せました」と言うと、「全く相手の守備を崩せず、マイボールにもできず、結果以外は反省ばかりです」と苦笑い。それでも「新谷が緊張感のある開会式で選手宣誓しましたが、また(国立競技場に)戻れて感謝したい」とイレブンを労った。
ボランチとして奮闘し、PK戦でも4人目のキッカーを担って成功させた松橋は、「東山のOBには世界で活躍する人がいる。自分たちもいずれは超えたい。国立は初めてなので日本一で終わらせたいですね」と、先のワールドカップ・カタール大会にも出場した日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)を引き合いに出し、初優勝を誓った。
選手宣誓の大役をこなし、国立競技場への帰還を果たした新谷も「戻るだけではなく、日本一という目標があるので勝つしかない。優勝するためには次の準決勝が重要になる」と歯切れのいい宣誓と同じく、滑らかな口調で意欲を示した。
河野 正
1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。