神村学園の2大スターを支える縁の下の力持ち 福田師王が「やりやすい」と語る理由
2年生FW西丸道人は準々決勝の青森山田戦でゴールを記録
第101回全国高校サッカー選手権は1月4日に各地で準々決勝が行われ、等々力陸上競技場の第2試合で神村学園(鹿児島)が青森山田(青森)に2-1で勝利した。今大会の神村学園で注目される2人のスターの間をつないで輝きを放ったのが、2年生アタッカーのFW西丸道人だった。
神村学園は卒業後にドイツ1部ブンデスリーガのボルシアMG入りが内定しているFW福田師王と、セレッソ大阪入りが内定しているMF大迫塁が2枚看板として注目を集めている。大迫が中盤に入り、福田は最前線で身体を張ってゴールを狙うが、前半からその間をつなぐように相手のゾーンの隙間に顔を出してボールを引き出していたのが西丸だった。
栢野裕一監督代行は「最初のポジションを少し下がり目にしたことで良さが出て、献身的なプレーが出た」と話す。それがゴールとして実ったのが後半16分で、大迫が自陣から繰り出したフィードを福田が胸で受けたところに、スルスルとポジションを取ってフォローしていた西丸が持ち込んで左足シュートでゴール。福田とのコンビを「師王さんに(相手が)食い付く分、おいしいところをもらえることもある」と話したとおりの展開。殊勲の同点ゴールに「抜け出した瞬間にゴールしか見ていなかった。得意な形で決められて良かった」と笑顔だった。
同点劇の4分後には1年生「10番」のMF名和田我空のパスを受けた西丸が、相手を前にしながらも果敢に仕掛けてシュート。そのこぼれ球に反応した福田が流し込み、これが決勝点になった。1学年上のエースであり、先輩を「自分もファンの1人のような感じ」としつつも、「面倒見のいいお兄さんのような感じ。ご飯をおごってくれることもある」と笑顔だった。福田もまた西丸とのコンビを「とてもやりやすい」と話している。
セカンドトップのような形で中盤と前後しながら、ここにいてくれると助かると味方が思うような場所に入り込む良さを試合中の随所に見せていた。初の全国制覇を狙う神村学園の前線では、福田と大迫に相手のマークがついた瞬間に危険な位置に入り込んでくる西丸が確かな存在感を見せている。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)