大津が2大会連続で同カードを制す! リベンジに燃えた前橋育英をPK戦で下し準決勝進出
拮抗した戦いも1点が遠くPK戦へ突入
第101回全国高校サッカー選手権は1月4日、浦和駒場スタジアムで昨夏の全国高校総体(インターハイ)で2度目の優勝を遂げた前橋育英(群馬)と準々決勝で大津(熊本)が対戦。前回対戦の準々決勝(大津1-0前橋育英)と同様のカードとなったこの1戦は、大津がPK戦を制し準決勝進出を決めた。
前橋育英はサイドから崩しを試みつつ、大津が陣形を整え決定的な場面を作らせない。大津はカウンターを仕掛けつつ、前半17分にはFW山下基成が惜しいシュートを放つなどお互いにチャンスを得る拮抗した展開となる。
中盤の激しいボールの奪い合いから、大津は長身FW小林俊瑛へのパスでワンチャンスを狙うが、前橋育英の最終ラインがそれを許さない。逆に前橋育英はドリブルを駆使しつつ、得意の左サイドから前線まで持っていく。ただ、ここは大津がペナルティーエリア内での堅い守備を見せ、レベルの高いゲームが続いた。
前半27分には、前橋育英MF青柳龍次郎のふわりと浮かせたトリッキーなパスにペナルティーエリア内のMF小池直矢が左のFW高足善へ。ダイレクトでシュートを放つもこちらは枠を捉えられない。
同29分には左サイドのグラウンダーのクロスから大津FW田原瑠衣がシュートチャンスを迎えるもここは前橋育英ディフェンダーが決死のブロック。少しずつ前橋育英が押し込むシーンが増えていく。
U-18日本代表MF徳永涼を中心に前橋育英がボールを握り、大津ゴールへの道筋を探る。大きな展開も使い、同37分にはMF小池直矢が右サイドを突破。クロスからシュートチャンスを何度か迎えるもゴールまでは結び付かない。
攻守が目まぐるしく変わるゲームは0-0のまま後半戦へ。同4分には前橋育英がフリーキックのチャンスも、DF山内恭輔が上げたボールは大津に跳ね返される。締まった戦いを続ける両チーム。大津はエース田原のキープから前線へと運ぼうとするも上手くいかない。
後半15分、前橋育英は裏への浮き球スルーパスからこぼれたボールを拾い、マークを受けながらFW山本颯太がシュートを放つも惜しくもクロスバーの上。その2分後だった。すでに1枚カードを貰っていた前橋育英9番小池が、中盤でのスライディングタックルで2枚目の警告を受け、レッドカードで退場。前橋育英は1人少ない状況で残り時間を戦うことになる。
その直後、ペナルティーエリア内へ押し込んだ大津がこぼれ球を山下がシュート。しかしこれはポスト右に外れた。前橋育英は数的不利のなかでも、正確なロングフィードに反応した山本がトラップから前を向き思い切りの良い一撃を放つも枠を捉え切れない。
退場者もあり、時間が進むにつれて試合が熱を帯びていく。すると同27分、大津は右サイドの鋭いクロスを山下が頭で合わせ決定機を迎える。しかしここは前橋育英GK雨野颯真がビックセーブ。1点の重みを背負い、集中した戦いが続いていく。
同30分には前橋育英の高足がドリブルで運び、一度は相手に奪われかけるも味方が拾って縦パスを再び受ける。そのまま角度のないところからシュートを放つも、大津GK西星哉が安定したセーブ。両チーム守護神が見せ場を作る。
同37分には大津のロングスローへのクリアが危うく前橋育英ゴール方向に向かうヒヤリとした場面も。同アディショナルタイム2分、前橋育英はゴール前でボールを上手くトラップした山本が強烈なシュートを放つも枠外。その後試合は80分の戦いでは決着が着かず、ペナルティーキック(PK)戦へ突入した。
ともに1本目を決めたなか、先行の前橋育英2人目のキックを大津GK西がストップ。合計スコア0-0(PK5-4)で大津が昨年に続いて前橋育英を撃破した。
勝者の大津は、この後行われる東山(京都)対日体大柏(千葉)の勝者と、1月7日に新国立競技場で準決勝を戦う。
(FOOTBALL ZONE編集部)