「前橋育英は今年一番いいチーム」 大津、インハイ王者との8強へ…強豪校との一戦へ指揮官「幸せです」

大津が3ゴールで日本文理に快勝【写真:Getty Images】
大津が3ゴールで日本文理に快勝【写真:Getty Images】

出場2度目の日本文理に3発、守備陣も粘り強く対応し完封勝利

 第101回全国高校サッカー選手権大会第4日は1月2日、首都圏4会場で3回戦8試合が行われ、4日の準々決勝に進むベスト8が決まった。浦和駒場スタジアムでは前回準優勝の大津(熊本)が出場2度目の日本文理(新潟)を3-0で下し、2大会連続の8強進出。前回と同じく準々決勝で、昨夏の全国高校総体(インターハイ)を制した前橋育英(群馬)と対戦することになった。

 試合の序盤は日本文理が長いボールを放り込み、激しいプレスで押し寄せてきたが、プレミアリーグWESTでもまれた試合巧者の大津は、屈することなくいなして自分たちのリズムを整えた。

 就任3年目の山城朋大監督は、「去年の(準優勝の)思いがどうしても強すぎて、相手のチャレンジに受けてしまうことが多い」と話しながらも「プレミアリーグの経験が接戦をものにできる要因になっています」と試合の入りは受けて立ってしまっても、すぐに修正できる力を付けていることを説明した。

 大津のサイドアタックは速くて巧妙で、相手の守備を揺さぶるには効果満点だった。3得点とも右サイドからの仕掛けで奪っている。前半28分、昨季からのレギュラーMF田原瑠衣が右から進出し、同じく前回大会でも活躍した191センチの超大型FW小林俊瑛がポスト役となり、後ろに落としたボールをFW山下基成が強シュート。相手GK日隠レックス海斗に好捕されたが、これが大津の怖い、怖いサイド攻撃の進軍ラッパだった。

 この2分後の前半30分、攻撃参加してきた右サイドバック(SB)の坂本翼が敵陣を深くえぐって最終パス。GKが弾いたこぼれ球をMF浅野力愛が押し込んで先制した。

 対人の強さが特長でもあるボランチの浅野は、「積極的にペナルティーエリアに入るよう指示されていたので、今日は思い切って上がりました。練習からこぼれ球を狙っていたが、うまく自分の前に転がってきた。ペナルティーマークの近くにいれば、落ちてくる可能性が高いのでそこは常に意識しています」と大舞台での初ゴールを嬉しそうにかみ締めた。

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河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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