敗退の米子北監督「悔しいなあ」 声を詰まらせ震えた背中、選手への思い「もう少し試合をさせてあげたかった」
日大藤沢に1-2惜敗で2回戦敗退 米子北の中村真吾監督「慌てたプレーも出てしまった」
第101回全国高校サッカー選手権は12月31日に各地で2回戦の試合が行われ、夏のインターハイで4強入りした米子北(鳥取)は日大藤沢(神奈川)に1-2で惜敗。試合後に中村真吾監督は「もう少し試合をさせてあげたかった」と目頭を熱くした。
立ち上がりからは、ほぼ狙いどおりの展開だった。相手には清水エスパルス入りが内定している198センチの長身FW森重陽介もいたが、コンパクトな守備ブロックで日大藤沢に得意のパスワークを発揮させず、強度のある守備から奪って素早い攻撃も見せた。前半17分には試合を通じて工夫の感じられたセットプレーで、ショートコーナーから先制点も奪った。
しかし、主将のDF野田徹生が「僕たちはいつも立ち上がりからいつもリズムがいいけれども、そこで決め切れていない。カウンターの場面で慌てたプレーも出てしまった」と、試合自体は相手ボールの時間帯も含め上手くコントロールしながらも、点差は1点でしかないという事実が後半に難しい展開を招いた。後半23分と30分にいずれもロングスローから失点。試合最終盤でゴール前に迫ったチャンスでもシュートが枠外に飛び、無念の敗退が決まった。
中村監督は「やりたいことができていた時間が長かったけれども、これは勝負の世界。ロングスローでもボールを見てしまって、背後に走られた。結果はセットプレー2本ではあるけど、守備の修正点は多いと感じた」と話す。一方で「夏に比べて整理されて良くなっているし、試合をすればするほど良くなっていく自信はあった」という。大会の中で成長できる手応えも感じ取っていただけに、2回戦で姿を消すことになったトーナメント戦の厳しさも味わうことになった。
3年生世代について聞かれた中村監督は「仲が良く、仲間の大切さを感じさせてくれる3年生」と話したところで声を詰まらせ、報道陣に向けた背中が震えた。「1つ1つ課題を克服して、もう少し試合をさせてあげたかった」と目頭を熱くし、「悔しいなあ」と一言を残してスタジアムをあとにした。組織的でまとまりのある好チームだったが、インターハイに続く上位進出はならなかった。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)