白熱した接戦はPK戦で決着 12年ぶり出場の国見、堅い守備で尚志を抑え3回戦進出…前回王者・青森山田と対戦へ
尚志が主導権を握るも、国見が徹底した守備でスコアレスドローのままPK戦へ
第101回全国高校サッカー選手権の2回戦が12月31日に行われ、ニッパツ三ツ沢球技場で尚志(福島)と国見(長崎)が対戦。国見OBの元日本代表FW大久保嘉人氏も観戦したこのゲームは0-0のままペナルティーキック(PK)戦へともつれ、PKスコア4-3で国見が3回戦へと勝ち進んだ。
前半3分には尚志MF安斎悠人が左サイドで相手をかわしゴール前までドリブルで駆け上がると、シュートまで持っていく単独突破を見せる。このシーンで流れを掴んだのか、高い位置でルーズボールを拾うと素早いサイドチェンジから相手を左右に揺さぶってペナルティーエリアを崩しにかかる。
それでも国見が固い守備でゴールを割らせず、スコアレスのまま試合が進む。同9分には国見がコーナーキック(CK)のチャンスを得るも、こぼれ球へのシュートは尚志DF陣のブロックに遭う。
その後、尚志は安定した守備から相手陣地まで押し込む場面が続くが、なかなかシュートまでは持ち込めない。前半20分には安斎が得意のドリブルでペナルティーエリア内へ侵入し倒れるも、PKの笛は鳴らなかった。
その安斎に対し、国見は2人が守備に付く徹底した対応で抑えようとする。しかしその直後、安斎が右サイドで相手を剥がし中央へグラウンダーのクロス。FW鈴木虎太郎がネットを揺らすも、すでにラインを割っていたとして先制ゴールとはならなかった。
同26分には我慢の続いた国見が反撃。1回戦でも得点しているFW利根悠理が際どいシュートを放つも尚志GK鮎澤太陽がビックセーブでチームを救う。1分後には尚志にアクシデント。競り合いで倒れた主将DF山田一景がタンカーで運ばれる。代わりにDF高瀬大也がピッチへ入った。
同36分、尚志が左サイドから攻撃を展開。中央を経由して逆サイドのMF吉満迅がボールを受けると、切り返しから左足でシュート。しかしここも国見が強固なブロックを見せてゴールを割らせない。吉満はさらに同アディショナルタイム、相手2人を背負ったから中へ切り返し置き去りにするシーンでチャンスを演出。しかし吉満が放ったクロスはゴールまで結び付かなかった。
0-0のまま後半へと入ったのちも展開は変わらず、尚志の厚みのある攻撃を国見が締めた守備から攻撃の機を狙う。ただ、尚志は後半から負傷したFW網代陽勇に代わりFW笹生悠太がピッチへ。2つ目のアクシデントで思わぬ選手交代となった。
後半15分には国見が最大のチャンスを迎える。中盤でボールをカットした勢いで前線のFW利根悠理へ。GKと1対1のビッグチャンスで放ったシュートは枠を捉えることができなかった。
時間が経つに連れて攻撃の姿勢を強める尚志はペナルティーエリア付近まで押し込む場面が増え、中央のFW鈴木虎太郎が起点となって何度も国見ゴールを脅かしていく。ただ最後の部分は国見が身体を張り、後半終盤に入っても集中したプレーを見せる。
後半26分、尚志はペナルティーエリアでフリーとなった鈴木がコースを狙ったシュートを右足で放つも国見GK今村泰斗がゴール上部へ弾くスーパーセーブ。両チームともに見せ場を作るも得点は動かない。
後半37分には右深い位置で国見がフリーキック(FK)を獲得。国見が終盤に粘る守備から何度も惜しいチャンスを迎えるもゴールを割れず。ともに接戦を無失点で抑えた両者の決着はPK戦へと突入した。
両チームお互いに3人ずつ成功したが、先行の尚志4人目をGK今村が見事ストップ。一方の国見は4人目も成功させ、尚志5人目が連続で失敗となり、トータルスコア0-0(PK:4-3)で国見が次のステージへと駒を進めた。
白熱した戦いを制した国見は、前回王者・青森山田と2023年1月2日の3回戦で対戦する。
(FOOTBALL ZONE編集部)